第4章

#037 形成逆転

「Yeah? What's wrong? (ん? 何がおかしい?)」


「No, it's a thought. Rather than that, why am I? Is I an obstacle to this world? (いや、考え事だ。それよりも、何故俺だ? この世界にとって俺は邪魔か?)」


「Yeah, In the way. At least in this world. (ああ、邪魔だ。 少なくともこの世界では)」


「You're kidding? (冗談でしょ?)」


「No, it's true. (いや、本当だ)」


 おいおい、マジかよ。いや、まぁ・・・。えぇ・・・?


 困惑しながらも、無線からはカトリーナの声が聞こえてきた。


『学園に連絡したわ、「受け入れ準備は完了しているわよ!」ってさ』


 さらに無線で『沖合にいた艦隊を撃沈したい、射撃の可否を問う』という指示を待つ連絡も入り始めた。


すぐにアルトリアは、この場に居る治安維持隊に「総員、直上に銃口を向けろ!」という命令を出した。


刹那、カトリーナや治安維持隊員が首を傾げたが、直上から聞こえてくるヘリの音を聞き納得したようにし一斉に銃口を向けた。


「一斉射撃、目標! 敵ヘリ!単連射セミオート射撃、ぅてっ!」


 この状況に驚いた敵兵士は慌てて無線を手に取って何かを騒いでいたが、おそらく直上で待機しているち味方に報告したのだろう。だが、遅すぎる。


++++++++


 屋根を撃ち抜き、ホバリングしているヘリに命中した弾丸は、底面にある鉄板を易々と貫き脚から頭部へと人を貫通していく。


 ちなみに現代では普及していない徹甲弾を使用しているので、市販の弾丸でも鉄板を貫いている。もちろん、アルトリアの自作だ。


敵兵士の無線からは、悲鳴と助けを求める声が聞こえて来た。


『Help me! Help me!』


『Mayday, Mayday!!』


『Black fork dawn! Black fork dawn!!』


「カトリーナ、敵兵士あいつの脚部を撃ち抜いてやれ」


 カトリーナはアルトリアの声がかかると同時に、「はい!」と言って持っていたSKSで、素早く敵兵士の膝を徹甲弾の入った弾倉マガジンで撃ち抜いた。


 当然、膝からは鮮血が迸り敵兵士は崩れ落ちるように倒れて「Uh・・・」と声を上げていたが、そこに馬乗りになるようにカトリーナが跨り脅すようにSKSの銃口を額に近づけた。


「カトリーナは、そのまま脅し続けていろ」

「了」


 アルトリアは無線を取り出して無人島の基地に「弾種。徹甲弾装填、目標照準。全艦、敵のコロラド級4隻を沈めろ」という撃沈指示を出した。


『え? 良いのですか!?』


「構わん、射撃準備が出来ているのだろう?」

『は、はい。 一応、陸上の対艦砲・・・・・・は撃てますが・・・』


 ん?ちょっと待て、対艦砲だと?


「対・・・艦砲だと・・・?」


『あ、えーっと・・・。 あ、ははは・・・』


「ちょっと、後で話がある」

『ご、ご勘弁をして下さいまし・・・』


「いいや、楽しい楽しいお説教タイムがた待っているぞ?」

『ヒ、エェェェェェ!』


 おっとっと、話が脱線していた。


「とりあえず、対艦砲でも良いから撃沈しろ。 良いな?今言った戦艦4隻の撃沈だけだぞ?」

『C-Copy(りよ、了解)』


 無線を切ると恐怖に怯えた表情のままカトリーナに跨られている敵兵士に詰め寄り、「Your loser. (お前たちの負けだ)」と言った。


「Oh My God・・・. (なんてことだ・・・)」


 敵兵士は観念したように、両手を頭上に掲げた。


 その後、治安維持隊員によって両手首に手枷てかせを填められたまま、学院に救急搬送されていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

“出会ったら即死”と呼ばれた男は、異世界に転生しても兵士を続ける!【3,279PV】 @12{アイニ} @savior1of2hero

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ