第273話 7年目のシーズン終了
9月も下旬になると、札幌は急に涼しくなる。
9月上旬はまだ暑く、半袖で過ごしていたのが、久しぶりに遠征から本拠地に戻って驚いた。
空港からチームバスに乗り込むために外に出ると、少し肌寒いのだ。
北海道では早ければ、10月下旬には雪が降るらしい。
ということは日本シリーズの試合の真っ最中に、球場外では雪が降っていることもありうるのか。
もっとも今季に限ってはその心配は全くない。
札幌ホワイトベアーズは、4位の岡山ハイパーズと2.5ゲーム差、最下位の熊本ファイアーズと2.0ゲーム差で今季最終戦を迎えていた。
僕はというと、移籍後はほとんどの試合に1番スタメンで出場し、今日の試合で泉州ブラックス時代と通算して、ちょうど100試合となる。
今日の最終戦も1番ショートでスタメンを告げられた。
なお札幌ホワイトベアーズはチーム最終戦をホーム球場で迎えることは極めて稀である。
というのも、ホームのどさんこスタジアムはドーム球場であり、基本的に雨で中止ということがない。
よってチーム最終戦は、ドーム球場が本拠地でないチームとのアウェーでの試合が雨で中止になった際の代替試合となることが多い。
しかしながら今季は奇跡的に雨で中止となった試合が無く、珍しくチーム最終戦をホーム球場で飾れるのだ。
最終戦の相手は、熊本ファイアーズである。
熊本ファイアーズは既に最下位が決まっており、札幌ホワイトベアーズも5位が確定しているので、言わば消化試合である。
とは言っても、僕にとってはプロ入り始めての100試合出場がかかった大事な試合である。
そしてこの試合、第一打席でフォアボールを選んだ後、2回表の守備から交代となった…。
どうやら若手(自分ではまだまだ僕も若手だと思っているが…)に出場機会を与えるようだ。
とは言え、100試合出場を達成させて貰えたのは嬉しい。
ちなみに最終戦はわずか2安打の完封負けを喫してしまった。
しかも決勝点はエラーで献上。
まるで今季の札幌ホワイトベアーズを象徴するような試合となってしまった。
試合終了後、シーズン終了のセレモニーがあった。
首脳陣を含む、チームメート全員が一列に並び、大平監督からは「5位に終わった事は残念だが、新戦力が台頭しつつあり、来季は必ず巻き返す」旨の決意表明がなされた。
大平監督は今季から監督に就任したばかりであり、来季も引き続き指揮を取ることが決まっている。
もっとも来季もBクラスだと、クビが涼しくなるだろうが…。
今シーズン、シーズン通算では100試合に出場し、284打数75安打、打率.264ホームラン5本、打点32、盗塁22(盗塁死9)。
我ながら飛躍のシーズンとなった。
個人的には100試合出場という目標をクリアし、ヒット数、ホームラン、打点、盗塁など、ほとんどの部門で自己最高を更新し、良いシーズンとなった。
なお泉州ブラックス時代と、札幌ホワイトベアーズ時代を分けると以下のようになる。
泉州ブラックス時代:64試合、142打数38安打、打率.268、ホームラン4本、打点19、盗塁12(盗塁死5)。
札幌ホワイトベアーズ時代:36試合、142打数37安打、打率.261、ホームラン1本、打点13、盗塁10(盗塁死4)。
こうして数字を並べて気づいたのだが、泉州時代と札幌時代では、打数が全く同じで、安打数も1しか変わらなかった。
札幌に移籍後に21打数ノーヒットだったことを考えると、良く盛り返したと言えるかもしれない。
いかにスランプの期間を短くするかが、来季の課題だろう。
さて今回は宮崎フェニックスリーグ行きは免除になった。
秋季キャンプは参加するが、それまでは札幌の球団施設で調整する。
そして暦は10月を迎えた。
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