そこには蕾がありましたとさ
天霧 音優
第1話
「ねぇー、校庭に蕾があったよ。」
ある日友人が珍しく私の袖をひいてそう言った。
「へぇ〜今の時期だと珍しいね、んで、何の蕾だったの?」
私がそう尋ねると「……え、知らない」と私の期待に背くような反応をしめした。
「知らんのかい……」
私はツッコミを入れると仕方なしに立ち上がった
「……で、どこにあるの?」
「……ん、こっち来たらわかるから」
友人は手招きをしたあと私の手をひき校庭まで連れて行った。
「これだよ。よくわかんないけど」
「え……?これ……蕾じゃなくって、うっ……ふふっ……く……」
私は笑いそうになり必死に笑いをこらえようとするも堪え切れることはできなかった。
だってこんな間違え方……誰でも笑ってしまう……。
「な、なによ……。何で笑ってるの……?」
友人はこれがなにであるか全くわかっていない様子だった。
私は笑いを抑えながらも笑いの混ざった声だけど、……ちゃんと伝えてあげることにした。
「これ……蕾じゃなくて……紙だよ……。なんで見間違えんのさ……ふふっ……」
「か、紙!?」
友人は驚きのあまりその場で硬直した。
「そう。多分相当うまい人が蕾を作って刺しただけだよ……ふふっ……」
面白い人もいるもんだよ……。
「ちょっ、笑いすぎだよっ……!」
「だって、面白いんだもん……ふっ」
「そ、それは作った人がうますぎるだけじゃんかぁ……!」
「そうだけど、ふふっ、見間違えないよふつう……」
「も〜……!!」
紙で蕾って作れるのかな……。
わからないのに書きました。
そこには蕾がありましたとさ 天霧 音優 @amaneko_0410
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます