第2話スキルを獲得しよう
「やっとここに来る事が出来た。」
今僕は昔からの夢であったハンターになる為に塔の入口前に来ている。
塔の前には早朝にも関わらず沢山の人が並んでいた。
「やっぱり人気の職業だけあって凄い人だな。しかしこんな朝早くからこれだけの人がいるとは思わなかったけど。(現在午前5時)」
既に僕の前には数十人の人が順番待ちしている。
「それではこれから1人ずつ塔に入ってもらいスキルを獲得して頂きます。その後はスキル次第でそのまま探索に向かわれても結構ですし、自信がなければすぐに引き返して頂いても結構です。
協会からのお勧めとしては一度帰還してスキルの確認をして協会に登録後十分な下準備をした上で再度探索に向かわれる事をお勧めしますが最終的判断は自己責任でお願いいたします。」
入口付近に居る協会の関係者らしき人が一応案を出してくれている。
昔に強制すると得たスキルによって強引な手段に出る人がいた為協会の人の安全の為にも強制を止めてどちらを選択するかの自由を自己責任で選んでもらう様にしたらしい。
決して協会が面倒で全てを放棄した訳ではないらしい。
実際協会に登録してから塔に入れば救助要請を出せば塔の中まで救助に来てくれるらしい。(もちろんそれまで自力で生存出来ていればだが。)
「お、何だかんだでもうそろそろ僕の順番がきそうだな。」
なんて考えていると突然後から185cm程のガタイのいい金髪ロン毛が
「なあお前はスキルを獲得したらどうするつもりなんだ?何だったら俺達のグループに入れてやってもいいぜ?」
一瞬突然なんだ?誰だコイツ?知り合い?じゃないよなとか考えながら
「えっと、それって僕に聞いています?」
と一応確認してみると突然声をかけてきた男性の連れらしき1人の女性ともう1人の男性が突然僕に声をかけてきた男性に対して
「貴方知らない人間がいきなり声をかけてそんな事聞いたらビックリするでしょ?」
と、言ってくれたのは165cm程の茶髪ショートヘアの女性
「イヤ、ホントそれはナイわ。リョウがバカなのは俺達は知ってるけどその人は何も知らないんだからただの怪しいヤツにしか思われないぞ。」
と、言ったのはもう1人の180cm程の僕と背格好のあまり変わらない金髪ショートの男性
が、連れらしき2人が突然僕に声をかけてきた男性に苦言を呈している。
まあコレに関しては僕もそう思う。
何の前触れもなくましてや知り合いですらない人間にいきなり問いかけられれば大半の人間は驚くだろう。
多分僕の見た目が178cm程の身長で高くもなくかと言って低い訳でもなく且つ着痩せする僕は線の細い根暗なヤツに見えて声をかけやすかったのだろう(実際は服を脱げば長年武道により鍛え上げられた身体なんだけどね)。
「そんな事ないだろ?コイツが1人で寂しそうだから俺が声をかけてやったんだから。」
「いや、見た目だけで勝手にそんな事を考えてるアンタが一番失礼よ。」
「ホント止めてくれよ?一緒にいるだけで俺達まで失礼な奴等だと思われるだろうが。」
等と3人は言い合いを始めてしまったので
「僕は1人で探索するので結構です。」
そう言って立ち去ろうとすると僕の言葉が気にいらなかったようでリョウと呼ばれていた男性が
「ああ?テメェ折角俺がボッチなテメェに声かけてやったのに舐めてんのかよ?」
そう言ってリョウと呼ばれた男が僕の胸倉をつかもうと手を出してきたので僕は逆にその手を軽くいなしてその勢いを使い足を引っ掛けその場に転がしてそのまま顔面を踏みつけたまま
「雑魚が調子に乗ってんじゃねぇぞ?お前みたいな口先だけの雑魚がオレに勝てる訳ねえだろうが。次舐めた事ぬかしやがったら○○すぞ。」
「ヒィ。」ジョ〜
そう少し脅しをかけるとリョウと呼ばれていた金髪は泣きながら洩らしていた。
そして僕は青い顔をしている2人の友人らしき人達にむかって
「関係ない人達を怯えさせて申し訳ありません。ただ僕は敵対する者はツブす主義なのでお二人には迷惑をかけてしまい重ねて申し訳ありませんでした。」
僕がそう2人に伝えると
「い、いえ。も、元々こちらが迷惑をかけていましたので。」
「あ、ああ。その通りだと思う。」
「ありがとうございます。そう言っていただけると気が楽になります。「次の方どうぞ。」アッ僕の番みたいなのでお先に失礼します。」
そう言い残しまだ少しア然としている2人をあとにして僕は塔の入口に歩き出した。
「それではお気を付けて。」
そう協会の人に言われながら僕は塔に入った。
塔に入るとすぐ前に台座の様な場所がある。恐らくあの場所でスキルを獲得出来るのだろう。逸る気持ちを抑えられず僕はすぐに台座の上に移動した。すると突然台座が光だしあまりの眩しさに数秒目を閉じていると光はすぐに収束していた。
「何だったんだ今の光は?いや、それよりこれで僕もスキルを獲得する事が出来たのだろうか?確か目を閉じれば自分のスキルの事が解ると言われていたハズだ。」
そして僕はすぐに目を閉じて自身のスキルを確認した。
「オオッ解るスキルの事が。えっとスキルは再現眼【リバイバルアイ】っていうみたいだな。しかしこのスキルの効果はナントナク解る。まだスキルを使用してないけど感覚で解る。もし自身のこの感覚が間違いではなくそのとおりの能力だとしたらコレは正に僕にうってつけ。そしてトンデモナイ能力だ。早く確認してみたい。」
そう思うと居ても立っても居られず僕は塔の探索に向かった。
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