第4話
4話
「おじさん。そろそろいいですか?」
俺が全国に行ったと聞いてからずっと俺の事を調べているみたい。だけど、何処にも俺らしい人が居ないみたいで、ずっと困っている。
「本当に、この中にいるのか?見付からんぞ?」
「いますよ。ほらこの黒目黒髪の少年ですよ。」
さっき俺の事が見つからなさ過ぎて、どれだ!って聞いてきたので、チームは教えたけど、それでも見付からなかったみたいだ。
確かに、今とは雰囲気はだいぶ違うし、別人と言われたら納得しちゃうような感じだからな。
「本当か?!全然似てないぞ。」
「ほんとですって。」
え~現在の俺は青目に金髪で日本人ではないなと分かってしまう。完璧に外国人です。それにそれなりに美形で日本人ぽく無いから、外国人と間違われることもしばしば。
では、写真の中の俺はなんで、黒目黒髪なのになんで今は色が違うのか。
超簡単に言えば、コンタクトとウィッグで変えていました。
なんでかって?その時はそう言う気分だったと言えば終わりかも知れない。だけどもっと分かりやすく言うと、その時俺はサッカーとか色々なスポーツで様々な功績を残してきていた。
だけど、そのとき俺はスポーツ以外に小説でも多大なる功績をのこしていた。この時、スポーツの俺と作家の俺が同一人物だと世間一般に知られたら、わりと事件になってしまう雰囲気が合ったのだ。
どちらともに、熱狂的なファンがいてそのどちらともが怖かった。
あ!それに、サッカーだけじゃなくて、バスケでも偽装してたな。あの時はサッカーと全く同じ恰好するには時期的にも色々ダメだったから、試合中ずっとマスクしていたな。
ルール的には大丈夫みたいだから、つけていたけどずっと息苦しくて真面に試合をやらなかった時もあったなぁ。
まあ、そのおかげで肺活量がよくなって、カバディで有名プレイヤーと言われるくらいには成長できたし、わりといいことずくめだった。
・・・ってまだ写真と俺の事を見比べてるじゃん。どんだけ疑ってんの。何か証明できるものはあるかな。
あぁ、そう言えばトロフィーの写真があった気がする。
「ほら、これで全国出た事が分かるでしょ。」
「おお!本当だ。いや~疑ってすまんな。」
「そんな事より。ダンスを教えてくださいよ。」
ダンスを教えてくれるっていうから、待っていたのに。・・・・そいえば、田中さんはまだ来ないのかな。
この近くでデモをやっているから、遅くなるとは聞いているけど。・・・30分たったしそろそろかな。
そう思っていると、足音が聞こえてきた。
「光き・・光ヶ丘さんここにいたんですか。」
俺以外にも良く分からないおじさんがいる事が分かったみたいで、いつも使っているペンネームではなく本名で呼んでくれた。やっぱりこういう気遣いが出来るから、ずっと専門で編集者やらせているんだよな〜。
「こんにちは。今話何をされているんですか。」
「おじさんにダンスを教えてもらおうとしてたんだ。」
「へ~次はダンスですか。」
俺がいろんなスポーツを急に始めるのは慣れているから、スムーズにはなしが進む。・・前の編集の人はそこんところが硬くてスポーツ大反対的な人だったから、直ぐにへんこうしてもらったな。
「そうだ。ダンスやるからさ、道具とか一式そろえてもらっていいい?」
「スタジオも押さえますか?」
あ。そうだ、スタジオは合った方が良いのかな?・・・でもどうせ学校で練習するからいらないよな。・・・。
「知り合いに持ってる人が居たら、教えてくれる?もしかしたら使いたい時が来るかもしれないから。」
「それくらいなら良いですよ。・・・道具?って何が必要なんでしょうか。ダンスの事は良く分かんないんですよね。」
あ〜どうなんだろう。今までやってきたスポーツ。どれも何かしらの道具が必要だったから流れで言ったけど、何も思いつかないな。
「えっと?」
おじさんが何か言おうとしている。
「あ、すみません。私光ヶ丘君のマネージャーをさせてもらっている田中と申します。」
「ご丁寧にありがとうございます。えっと私は」
「無理して敬語にしなくても良いですよ。マネージャーとしてここにいますが、プライベートも兼ねてますから。」
一応、編集者としての役割が田中さんにあるが、それ以外にも色々やって貰っている。さっき言った道具の手配とかもその色々。マネージャーとしての仕事に入っている。
元々は、小説の編集者として俺に付いてもらっていたけど結構うまがあって、マネージャーもやってもらう事にしたのだ。もちろんそれなりのお金を払って。
だから、マネージャーもあながち間違っていない。
「それなら、私は忍者っていうダンスグループに入っている
へ~ダンスをやっているとは聞いていたけど、ちゃんとグループに入って活動しているんだな。教えてもらえるなら真面な人が良かったから、これはうれしい。
「あ、そうなんですね。光ヶ丘さんは最近ダンスを始めたみたいなので、指導をしてもらえるのは助かります。」
「いえいえ、まだ指導と言う事は出来ていなくて。」
「そうなんですか!それならこれから指導を?」
あ、なんか駆け引きがおきてる。今すぐ帰りたい剛毅さんVSマネージャー田中の攻防が。
「・・・そうしたいのは山々なのですが、こんなに遅い時間に子供を外に出すのは良くないかと思いまして、」
「あ、それなら今からスタジオを用意しますよ。光ヶ丘さんは十分に動けるくらい体があったまっているみたいなので、良ければですがお願いできますか。」
「・・・・分かりました。そこまで長い時間はあれですが少しであれば。」
「ありがとうございます。」
マネージャー田中 勝利!!なんか、剛毅さんに悪い気はするけど、無理やり初心者を踊らせた事を建前に目をつぶろう。
教えて貰えるなら、教えてもらいたいのだから。
「それじゃあ、今からスタジオを取るので30分くらいゆっくりしててください。・・もしよければ指導して貰いながらでも。」
「は、ハイ。」
☆
田中さんが、電話のために少し離れていくと交代するように剛毅さんが近づいてきた。
「お前のマネージャー。怖いな。俺と話してるとき目に光が無かったんだけど。」
「あ~。僕も田中さんの前職の事はあまり話さないようにしているのでいえないんですが、結構顔が広い見たいですよ。」
田中さんの前職って言わないんじゃなくて、言えないの方が正しいんだけどね。その事を教えてもらえたのも、数年の付き合いのはずなのに最近だし。
だけど、田中さんは他に類がない程優秀だから編集者としてもマネージャーとしても雇ったままなんだけどね。
「それで、少し無理やりな感じで指導を押し付けてしまったんですが、大丈夫だったんですか?」
「あ~それは気にしなくていい。この後グループの仲間と酒を飲もうと思っていただけだから、大事な予定は入ってない。それに酒を飲むのもここでお前さんを見た時に断ってる。」
え、ちゃんと指導しようとしてくれていたんだ。
「あれ?それならなんでさっき断ろうとしていたんですか?」
「あ~お前のマネージャーの目が怖かったからだよ。・・・それより、指導してやるからそこに立て。」
「お願いします。」
そんなに怖いかな?いつも会ってるから慣れちゃって分からないのかな・・・。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます