運命の出会い 美術館編

理

　昼食は、前から気にはなっていたのだけれど混んでたり､少し高級な感じで一人で入りにくいお店へ行った。

　席に着く。

「ここ、前から来たかったんです」

「確かに、このお店は一人じゃ入りにくいかな。僕もここの美術館に来るときはいつも一人で、入ろうとも思わなかったな」

「ですよね。ありがとうございます」

「こちらこそ」

　ちょっと豪華なランチ。価格相応の味だった。

　お互いのことを話す。

　同じ地域から来ていることがわかった。

　また会える。付き合えると思った。

　そしてお兄さんおすすめの美術館はしご。

　知らない美術館だけど、なかなかいいのが観られた。

　他のお客さんも数組くらいだろう。

　だけど絵のことよりも、お兄さんのことが気になって仕方がなかった。

　私はお兄さんの腕を持って密着していく。

　街でこんなカップル見覚えあるなと。こんな感じなんだと思った。

　途中の椅子に腰を掛ける。

　私達はキスをした。

　監視カメラでみられているのかな。と思いつつももう止められなかった。