第17話 成果報告
「ふふっ、どうだい。私の芝居はなかなかうまいだろ?ルミニ殿なんて私が二コラ殿をとられてしまい、悔しそうにしていると思っているのだろうな。いや~、自分でもびっくりするくらいうまく進んだよ。」
国王陛下の誕生パーティーも無事に終わり、バリットはジャーニとチアに成果を報告していたのだ。
「さすがですねお父様、完璧です!」
「本当です、それならお互いに疑われることなく、自然に接点を持たせることが出来ました。それで、リズの様子はどうでしたか?ルミニ様とリズをくっつけさせなければなりませんからそちらがどうなっていたのか知りたいのです。
あのリズですから、何もしなくても二コラ様からルミニ様に自然と乗り換えると思いますが、乗り換えないのであればこちらで何かアクションを起こす必要がありますから。」
チアはリズがルミニに乗り換えないことだけが気がかりだったが、問題はない。
「それに関しては大丈夫だと思う。初めにルミニ殿についていこうと言い出したのはリズだった。彼女の言い分では私など気にする必要がないらしいよ。それに、ルミニ殿も彼女のことを気に入っていたからな。」
「良いじゃないの、順調に計画も進んでいるわね。あとはリズがルミニ様に乗り換えてから、噂を流すだけね。お父様は十分にお仕事をしていただいたわ。うわさを流すのは私とチアで行いましょう。
私は貴族たちの間で、チアは街の住人達にどんどん噂を広めていくのよ。それで、あいつらに一泡をふかせてやるわ!」
「任せてください!街中で知らない人なんていないくらい広めてあげます。ついでに商人たちにも広めていきましょう。そうすれば周囲の国からも噂をされる変態貴族二人組の誕生です!」
チアとジャーニの二人は婚約者二人がリズの正体を知った時の顔が楽しみだが、それを待ちに待っているのは二人だけではない。
二コラやリズ、ルミニのあまりの態度に、バリットだって仕返しをしてやりたいと考えていた。
「二人とも、私だって彼らの絶望に満ちた顔を見るのが楽しみなんだから、最後まで参加させてくれよ。こんな面白い話を目にすることが出来る機会なんてそうそうないんだから。」
「もちろんですよ。お父様にだって最後まで一緒に計画を進めていただきますよ。あの三人の絶望の様を三人で見届けて、大勢がいる中で大笑いしてやるんですから!」
こうして三人が進めている婚約者屈辱計画は順調に進んでいくのであった。
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