第7話 就職先が決まりました
「あっ、目を覚ましたんですね。昨日はごめんなさいね、あなたがつぶれてしまうまで飲ましてしまって。」
「あっ、おはようございます。いえ、昨日は私もたくさん愚痴ることが出来たので楽しかったです。気にしないでください。」
すると、ジャーニは昨日のこと再び思い出したのか、口がにやけている。
「いや~、昨日は本当に楽しかったよね。またあんな風に話したいよ。それに例の計画も進めたいしね。」
「おや、お嬢さま、計画とは何でしょうか?」
ジャーニが例の計画のことを話すと執事が目を細めかせ、そのことに対して尋ねる。そんな執事に対して彼女は今回の計画は周囲の人間の協力があってこそと考え、昨日の計画を語り始める。そんな話を聞いて、彼は呆れているようだった。
「お嬢様、なんていう恐ろしい計画を立てているのですか?やっと元のお嬢さまにお戻りになられたかと思えはそのようなことを。まったく、いつも言っているではないですか、もう少しお嬢さまは慎みを持ってください。」
「あなたこそ何を言っているのよ。私を振ったんだから、それ相応の報いを受けてもらわないと気が済まないわよ!それに、チアなんてもっとひどいのよ!こうなったら三人まとめてやっちゃうしかないでしょ。」
彼女はなぜか自信満々に胸を張り、ドヤ顔を決めていた。この計画は彼女にとって完璧なものだと思っているのだろう。
「あっ、それよりも、昨日は愚痴しか聞けなかったけどあの話じゃ働き口を捜さないといけないんでしょ?これからどうしていくの?」
ジャーニが言っているのはチアの働き口だった。彼女は村から出てきたばかりなので今から就職先を探さないといけないのだ。
「えっと、これからここを出て、探さないといけないですね。一応、料理が得意なのでどこかの食堂とかで働き手を捜していないか見てみるつもりです。」
「そう、ならここに就職しない?あなたのことをお父様に話したら私に友達ができたってとっても喜んでいるのよ。ついでに仕事も探しているって言ったら、本人が望めば好きな仕事に就けさせてあげなさいって許可はもらっているの。あなたには、例の計画を成功させるためにも近くにいて欲しいのよ。給金も弾むから、どうかしら?」
そう言って彼女が指したのは屋敷の床だった。つまり彼女は自身の住んでいる屋敷で働いてみないかと誘ってきたのだ。こうして、チアはこの屋敷の料理人見習いとして働くことになったのであった。
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