堕ちる③(5月上旬)

放課後の教室に一人取り残された私は、ぼんやりと窓の外を眺めていた。どれくらい時間が経っただろうか。差し込む光が、淡い白から血のような赤に変わる頃、私はハッと我に帰った。

「、、、そっか」

瀬奈のあの表情を見た瞬間から、心臓の拍動は加速し続けている。


私は、堕ちてしまった。

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