第41話 ザビと……

   ~~ 初夜? ~~


「眠くないの?」

「デートを終えてから、早寝をしていたので、大丈夫」

 宿屋が準備した浴衣をきて、ザビは布団の上にすわって、力強くそう応じた。

「準備は……できた?」

「今日のデートで、私は確信した。やっぱり、あなたと結婚する!」

「結婚は……」

「分かっている。だから、まずは初夜を迎えようと思って……」

 本当に分かっているのだろうか? 結婚を前に、初夜って……。ただ、ここでの風習として、初夜というものがそういう位置づけなのかもしれない、とボクも理解することにした。

 ボクも彼女の目の前にすわる。

「私はがさつな女だ。それに、こういうことも初めてで……。だから、リードして欲しい」

 瞳は決意を秘めており、でも真っ赤で、羞恥と初めてのことに挑む怖さと、そんなものがない交ぜとなり、感情がぐちゃぐちゃになっているようだ。

 ボクがそっと彼女の顔に手をふれると、震えながら目を閉じる。唇を突きだすようにするのが、何だか微笑ましい。

 その唇にそっと唇を当て、すぐ離す。彼女もそっと目を開けた。

「キス……したのか?」

「そんな緊張していたら、したのかどうか、よく分からないだろ。力を抜いて」

 そういうが早いか、彼女の唇をもう一度ふさぐ。不意打ちの方が、彼女にはびっと来たのか、リラックスできたように力が抜けた。

 そのまま布団に、その体を押し倒す。


 浴衣の上から、帯の上にある膨らみへと手を這わす。外見はフィアと同じぐらいだけれど、そこはフィアより少し小さく、でもかなり硬い印象のあるそれだ。エドリーの場合、全身は筋肉を感じる硬さがあったけれど、胸は柔らかくて弾力も強かった。でもザビのそれは、胸も筋肉の張りを感じさせるものだ。

 優しく、解きほぐすようにゆっくりと回しながら、全体を揉みしだく。しかし、やはり反発力の方が強い。胸元から手を入れて、両側に押し開くようにすると、胸襟を開いて胸筋が見えた。よく締まった……それは筋肉という意味で、彼女はよく鍛えられていた。

「鬼人族の家では、子供を外に出さず、自宅で教育するのも鍛錬、という意味があるからだ。体を鍛え上げ、精神を研ぎ澄まし……それが大人になる、とされた。女の子っぽくないだろ、私……」

「女の子っぽくない子なんていないさ。ザビは、しっかりと鍛えてある女の子だよ」

 その中央にある突起に、軽く舌を這わす。まだ動揺の方が勝っているのか、全体の張りに比べて、そこはまだ起立していない。その周辺部から、唇全体をつかってゆっくりと撫でるように動かす。

「そ、そんなこともするのか⁈」

 ザビは思わず手で胸を隠そうとするのを、ボクがその手を押さえている。

「気持ちいいだろ?」

「うん……嫌、くすぐったい!」

 負けるのが嫌なタイプ? そう強がってみせるのが可愛くて、ヘッドバンキングをするように動かし、唇全体をつかって彼女の凸なところを舐め回した。


「痛い、痛い……。分かった、止めるよ」

 胸への唇攻撃は、彼女をより刺激したのか、半泣きになりながら押さえていたボクの手を振りほどき、頭を押し返してきた。

「胸……敏感なんだね」

「今まで、打撃をうけても負けないよう鍛えてきた。そういう弱い刺激に、ちょっと慣れていないだけだ」

「じゃあ、強くするよ」

 そういって、刺激をうけて存在を主張するようになったその突起を、今度は歯で責める。優しく噛むように、その付け根から刺激を与え、今度は強く吸う。それをくり返すと、彼女はしばらくぐっと唇を結んで耐えていたけれど、我慢できずに「あぁ……」と、吐息を漏らした。


 感じ始めていることをうけ、ボクも押さえていた手を放し、両手を腰から下へとゆっくり這わせ、浴衣を着たまま、帯を締めたままで、胸がはだけたことから足のところもはだけている。そこに、両手をつかって彼女の閉じた足の隙間へとねじ込む。

「嫌ッ!」

 彼女はやはり、強く両足を閉じて、手を入れられないようにしてくる。でもそれは想定済み。両手は手の平を合わせてねじこんだのではなく、手の甲を合わせて入れている。

 つまり指が外に向いており、それで太ももの内側を小刻みに、パソコンのキーボードを打つようにタップする。

「嫌、嫌、嫌~ッ!」

 内腿は弱いようで、体をくねらせて足を開く。これで完全に、浴衣がはだけた。それでも、腰帯は残っているので、彼女の体には浴衣がまとわりつく。

 何だか、無理やりしているようだ。ボクもその足の間に体を滑りこませ、二度と足が閉じないようにすると、彼女も観念したように、動かなくなる。

「わ、私も往生際が悪いな……。もう抵抗しない。好きにしてくれ」

 彼女は両手で顔を覆った。


 ちょっと下つきか……。バックからの方が楽そうだけれど、初めての彼女にそんなことを提案したら、気持ちが萎えてしまいそうだ。彼女の腰に手をまわし、少し持ち上げるようにする。

「行くよ」

 ザビは両手を放さず、顔を隠したまま小さく頷く。

 これまできつめの子が多かったけれど、ザビもそうだった。ミシミシと、まるで古い家具を解体しようとして、継ぎ目にバールをねじ込んでいくぐらい、中々入っていかない。

 押しこもうとして、彼女の体全体が動いてしまい、布団からスベリでて、そこにある柱に頭がぶつかった。

 彼女は「痛ッ!」と、顔から手を放すと、涙が幾筋もこぼれているのが見えた。でもその目は爛々と輝き、ボクを睨みつけると「もう、一気にやってくれ!」と、ボクの彼女の腰を支えていた腕をひき、自分の足もつかってボクの腰を押すようにする。彼女の頭が柱で押さえられているので、ボクもそのまま一気に行った。

「くぅは~……」

 勢いがついていたため、一気に奥まで貫通した。彼女もさすがに痛かったのか、首を仰け反らせて、しばらくその痛みに耐えている。

「大丈夫?」

 ボクも久しぶりの難工事に、彼女の方が大変だったろう……と気遣ってそう声をかける。

「こ、これが……つながっているってことなんだね」

「そうだよ。君の中に、ボクが入っているのが分かるだろ?」

「まだ痺れていて、はっきりしたことは分からない。でも、確かにここにアナタがいる。何かある……という実感はある」

「じゃあ、動くよ」

 しかし彼女は吸盤のように吸い付いていて、全然スムーズに動けない。それどころか、腰を動かそうとすると、彼女全体が動いて、柱に頭をごつん、ごつんとぶつけてしまう始末だった。

 そのとき、ドアがいきなり開く。ボクも驚いて振り返ると、そこにはフィアが立っていた。








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