第30話 戦い終えて

   ~~ 生存本能として ~~


「ただいま……」

 ボクとネルが山小屋にもどると、皆が飛びついてきた。

「倒したのか?」

 エドリーにそう尋ねられ、小さく頷く。「雷に撃たれ、のびているよ。騎兵ももう使い物にならないし、王都を急襲する動きは、頓挫したはずさ」

「さすが……」

 エドリーがそれ以上、言葉をつづけなかったのは、ボクの唇を塞いできたから。ボクも緊張から解かれ、急にエッチをしたい気分になる。それは命の危機を感じ、子種を遺そうとする、生物としての純粋な動き……。

「今日は、五人で楽しもう!」

「やったーッ!」

 一番喜んだのは、ミズクだ。彼女も参加できるよう、指で慰めることを教えた。本番はムリでも、参加できるのが嬉しいのだ。

 そして、ボクらは山小屋に消えた。


 エドリーが壁によりかかり、ボクがそんなエドリーにもたれかかる。彼女の大きな胸がクッションになって、背中にその柔らかさを感じるけれど、そればかりでなく、彼女が抱きしめるようにしてボクの胸を揉み、乳首を弄ってくる。

「いつも弄られる側だから、たまには責めてみたいと思っていたのさ」

 エドリーはナナリー王女の影武者として、武にも長ける。自分の身を守らねばならないのと、王族の素養として武を学ぶ。エドリーもそれに倣って、ナナリー王女と同じ力をもつ。

 そんな力をもつエドリーだからこそ、ボクの膨らんでいない胸でも、気持ちよくさせる。ボクが反応すると、待ってましたとばかり、ルゥナが飛びついてくる。

 自分でもう盛り上がっていて、キスもしていないのに、中はとろとろだ。ボクに跨ると、ほとんど抵抗なく、すんなりと入る。でもゆるゆる……ということはない。食感がいいことを「口あたりがいい」などというけれど、あそこあたりがいい、というのが正しい。

 温かく、巻きつくようで、彼女の腰遣いも速くなったり、ゆっくりになったり、時おりリズムを変えて、ボクもとても気持ちいい。


 他のメンバーも、待ちきれずにボクへくっついてくる。ルゥナが動くだけなので、ボクの手は空いている。

 フィアは左から、背中を寄りかからせてくるので、左手を回して彼女の胸、そして下腹部へと這わせながら、準備を整えてあげる。ミズクには右手を、彼女のまだ未熟な部分を弄るのにつかう。

 まだ指さえかなりきついところもあるけれど、彼女のそこを優しくふれていると、堪らなくなるのか、自らさほど盛り上がりのない胸を揉みしだいてみせる。その刺激をどう受け止めていいのか? 自分でも手のもって行き場に困り、似た刺激を得ようとするのだろう。

 ボクもまだ大して形を変えるわけでもないそこをみて、微笑ましく感じる。

「ん……はぁ~ん♥」

 大きな声とともに、ルゥナが果てて、力が抜ける。ボクは他の子を相手にしないといけないこともあって、中々一緒にはイケないけれど、彼女がしなだれかかってくるのを受け止めた。

 四人がボクの周りに集まり、ボクもぽつりとつぶやく。

「みんな……、温かいな」


 エドリーが「どうした? 感傷的になって……」

「今日、戦ったジャバ王子は、動物を蔑ろにしていた。人でも、動物でも、相手への思いやりを失うと、やっぱり冷たいなって……」

「ふふふ。なら、もっと温かくしてやろう。ルゥナ、交替だ」

 今度はルゥナがボクの背中にまわり、ボクの上にエドリーが乗る。エドリーが背中だと、胸しか当たる個所がないけれど、ルゥナだとしっかりと全身が密着する。ルゥナもそれが分かっているので、ボクのお腹に手をまわし、ぴったりと体を密着させてくる。

 次にイッたのはミズクだ。指だけだけれど、まだ彼女にはその刺激を受け止めきれないようで、早く絶頂に達してしまう。でもボクの右腕が離れるのを嫌がるように、しがみついてくる。

 目の前では、エドリーの動きに合わせて胸が弾む。彼女の独特な、ねっとりとした下の感触と、濡れやすいタイプらしく、慣れてきたのか、ボクの下半身を濡らすほどの量を滴らせる。

 下はその潤滑油で滑らかなのに、早く動きすぎると、大きな胸の上下動と合わずにリズムを崩してしまう。だから、彼女のそれは一定――。でも高まってくると、両腕で胸を抱えるようにして、動かないようにしながらスピードアップする。そして急に腕を放すと、ガッとボクの肩をつかんできた。どうやらエドリーもイッたようだ。

 気持ちよかったのか、小刻みに、痙攣するように震えるが、大きな胸でその動きが増幅するのが、興味深かった。


 エドリーと位置を変え、今度はフィアだ。

 指でイキそうになっていたけれど、彼女は堪えるタイプだ。ちゃんとつながっているとき……という想いが強い。

 特に女の子が多くなり、ボクを占有できなくなってからそうした気持ちが強まったように感じる。

「いいですか?」

 フィアはそう了承を得てから、ボクに跨った。

 ボクもずっと耐えてきた。三人とするのに、一回一回でそうしていたら、もたないから。

 フィアはゆっくりとボクのそれを、自分の中に収めた。動かなくても、彼女の中にいると、それだけで達してしまいそう……。それぐらい気持ちいい。

 ちょうど顔の高さも同じで、彼女がじっと目を閉じ、ボクの肩に手をおいて、静かに動きだすのをみつめる。ゆっくりと、丁寧に、彼女は自分の奥へ、奥へと導くように動く。

 互いに大きな動作はいらない。だけど、ボクらは静かに達した……。




   ~~ 死んだ後 ~~


「お愉しみのようね」

 十歳ぐらいのフリフリ衣装を着た少女が、ボクの前に立っていた。思いだす。それはボクが異世界に転生する前、前世で死んだときにみた光景――。

「閻魔様……?」

「失礼ね! ちがうわよ。でも、運命の差配をしているって意味で、アナタの知っている世界ではそうなるのかもね」

「……え? ということは、ボクはまた死んだの?」

「そういうことね」

「…………。記憶にない」

「今は、その記憶を自ら封印しているのかもね。でも、ここにいたらすぐに思いだすわよ」

 封印……? 前世では、98年も生きたのに、記憶は全部のこっていた。むしろ9歳で植物人間になり、ずっと意思だけが漂うような状態だったので、記憶が強く働いたのか……?

 でも、死んだこと……どころか、所々で記憶に欠落があるように感じる。それは、あの最強の相手である、ジャバ第二王子を打ち破ってから始まっているようにも感じられた。

 ……否、もう少し前からはじまっていたのかもしれない。それはドミネートという謎の力を使い過ぎたせいか……? それとも、別の要因か……?

 ジャバ第二王子を倒してから半年後、そこからボクが死ぬまでの物語――。



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