初の出勤3
「三上君は文さんと色々歳が近いからね、気が合うのも頷ける
そして私は文さん本来の元気で楽しそうな様子を見れてとても嬉しい
ですがね?だからって何故数ある遊びの中から怪我の可能性が高く態々難易度の高い組体操を選んだんです?ねぇ?三上君???」
(僕だけ集中砲火なの何なん…!?)
カミさんが戻って来るまで、思いの外意気投合した私とジュン先輩がウルト〇ソウルの曲に合わせて組体操をしていると見事タイミングが被った。
案の定カミさんはポコポコと効果音がつきそうな怒り方をして私を椅子の上、ジュン先輩を床の上にそれぞれ正座させて
いざ、説教の始まりです
因みに私は何故かメロンパンを食べながら説教されてます
何故か私は先にご飯を食べなさいと、栄養を取らなければならないからと、そう強く念を押されて私はメロンパンを食べながら説教を受けてます。
因みにメロンパン以外には蒟蒻ゼリーも渡さた、桃味やったね
端から見たらまるで説教とは思えない割とシュールな説教の絵面だ
「そ、その……なり…ゆき?」
「あ"?」
「ごめんなさい、外からついß〇の曲が流れてきてそのノリに乗ってたらいつの間にか組体操してました」
「…………」
ジュン先輩の証言は事実だ、音楽は生前の私にとって絵と本と動物と同じくらい生き甲斐で音楽が無かったら絵を描くすら止めるほど私にとっては重要で身近なもの
だから外から入ってきた音楽に体がつい反応してしまうのもある意味自然の摂理
そしてジュン先輩もジュン先輩で何故か音楽に反応してたから多分私とは理由は違うけれどきちんとした理由がある
だから組体操をしたのは本当に単なる偶然…
低い声を漏らしたカミさんに重ねたくもないのに自然と重ねてしまう事に後悔しながら、カミさんの方に顔を向ける。
すると何を考えているのか、カミさんは何も言わないまま数秒私の方に顔を向けてまたすぐにジュン先輩に向きを戻した
「…………次からは組体操でなく手遊びをして下さい、怪我をしても私は文さんしか診ませんからね」
「なんちゅー担当贔屓だ」
「は?」
「はいごめんなさい肝に銘じます」
カミさん強い……!
今後なるべく怒らせないようにしておかないと…
「(本当はもっと言っておきたいが…文さんは何より音と怒りを恐れる、これ以上怖がらせないためにも此処で我慢しておかなければ……三上君め)
文さん、メロンパンは美味しいですか?」
「え?……あ、はい」
「そうですか!なら良かった……あっそうです、後で食堂と購買を案内しますね!後は…あっそうです室内植物園やプールなどもあるのでそこも案内します!」
「この職場って何してるところでしたっけ」
「まぁ……“その他諸々”って所だね」
「果たしてそれは職場として成り立ってると言えますか?」
ここに来た時もそうだけど外見からしてまずデカくて、中に入ってもデカかった
色んな格好の者たちが出歩いていて、それこそ某大型ショッビングモールにも引けを取らないほど立派で綺麗で大きい。
本当にこの職場ってなんの仕事あるんだっけ…
私が今日から務めることになった魂迎課は言わば死神という種族が開設した死神直伝の魂お迎え係
死神という種族がいる限り魂のお迎えは彼らがやってくれるらしい
だが数百年前から何故かその死神族が減ってきているらしい、今は幽霊族という死神族と縁深しな種族が代打を務めてることが多いんだとか
そこで現状を憂い危険視した死神族の長が死神族全員を人員増加の為仕事を休ませて種族繁栄を目指し
その間、死神族のお仕事をしてくれる人を募集するため最初はバイト、そして就職という形で魂迎課を作ったらしい
だから魂迎課には色んな種族や私のように職を希望した幽霊が集まっている
要はお面だ、世間から見られる死神族の体制を私達魂迎課が整えこの緊急事態に合わせて立て直し復帰とともに万全な状態で返すというのが役割
このビルには魂迎課の他にも
一回ビル案内のポスター見たけどそれ必要なのかっていう課すらあった
あ、それと私やジュン先輩の様な幽霊と幽霊族は格式や存在定義そのものが少し変わっていて別物らしい
カミさんに知り合いに幽霊族の子がいるからと今度会わせてあげると言われた。
……そういえばカミさんとジュン先輩はなんだろう?
ジュン先輩は幽霊らしいけど生前の種族はまず人間じゃなかったはずだし
それを言ったらカミさんも、なんの種族…というかどんな顔してるんだろう
勝手にカミさんなんて言ってるけど本名あるのかな?
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