もんすたぁ、あらわる!
紗織《さおり》
もんすたぁ、あらわる!
「散歩行ってくるね。」
週末。
愛犬マロンの散歩に行こうと準備をしていると、愛娘翔子が、
「私も一緒に行く。」
と言ってくれた。
マロンのリードは娘が持って、玄関を出ると、
「行くよ、マロン!」
掛け声と共に、娘とマロンが二人で走り出した!
「えっ!
早いね。散歩だよ。歩かないの?」
と言いながら、慌てて追いかける私。
平日は、私と一緒にクンクン道路を嗅ぎながら、ゆっくり歩いているマロンも、尻尾をピンと立てて、嬉しそうに娘と駆けてゆく。
「若いな、二人とも。」
たまには駆け足の散歩も楽しいか?と追いかけていると、
「お、おっっと!!!」
翔子が目の前で豪快にズッコケそうになっている。
「大丈夫?」
私は、少し焦って近づいて行った。
「うん。平気、平気。
ちょっと石につまずいただけ。」
翔子は、笑いながら言う。
「そっかぁ、石か。
危ないよね、石。
転ばないで、良かったね。」
「うん、良かったよ。」
私達は笑いながら話して、三人で一緒に歩き出した。
坂道を少し下っていると、
「わっ!」
私がズッコケそうになる。
「大丈夫、ママ?」
「うん、大丈夫。
石があったの。石。」
「そっかぁ、石か。
今の、おっきい石だったもんね。
危なかったねぇ。」
翔子が笑いながら答える。
「そうそう、大きい石。
翔子にも見えるよね。」
そうなのです。
私達は、よくつまずくのです。
何もない道路に、とつぜん現れる透明なもんすたぁストーンに、私達はよくひっかかるんです。
「パパも一緒にいたら、きっと大笑いされていたね。危なかった。」
こうして私達は、今日も楽しく散歩をしています。
もんすたぁ、あらわる! 紗織《さおり》 @SaoriH
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