第4話 という事で・・・

≪という事で、セイの件は別としてアリスの事は受け入れてくれるんじゃよのぅ?

確かにこう言ったわの「申し訳ないが、駄女神はいらねえよ。役に立ちそうもねえし、お荷物を増やしたくないしな。」と。≫


そう言われ、俺はハッとした。確かに受け入れる様な言動をしてしまったと・・・


「しかし、そのアリスが、お、俺を受け入れるとは限らないんじゃないか?」


そう言うと、アリスのバカが即答しやがった。


『わらわは、貴様なら問題ないぞよ。出来らばたくさんの子をもうけたいと思うぞよ。』


頬を赤く染めながらそんな事を宣いながら俺をちらっと見やがった。まぁこうして

人化した状態を見る限り確かに可愛いのだが、涎を垂らしているのを見ると・・・

何とも言えないんだがな。


≪ほれ、アリスもこう言うておるではないか。すみにおけんのぅ、この色男が。≫


「いや、違うだろ。こいつは俺を食うんじゃないかと思わせる様な獣なんだぞ、どう受け入れろと言うんだよ。しかも未だに涎を垂らしているじゃないか?」


≪じゃからアリスは人化させて、聖獣化はせん様にするでな。それでよかろう?

ほれアリスよ、こちらへ来るがええ。≫


そう言ってじじいはアリスの涎をふき取りこういった。


≪アリスよ、慎ましいレデーという者は、涎など垂らさず、所作で相手を射殺すようにせんとな。うぉっほっほっほっ。≫


そう言われたアリスは、俺に対しウインクしながら投げキッスをしてきやがった。


『こ、これで、い、いいのかの?』


うっ、ちょっとだけいいなと感じてしまった俺だがここは心を鬼にして言わなければと思い言い放った。


「俺には、向こうで惚れた相手がいるし、そいつと添い遂げたいと思っているから

無理だ。」


そう言うとじじいは鼻で笑って言った。


≪貴様はその女子と添い遂げることが出来んというか、そのまま生きておっても結婚のけの字も出来んよ。というか、貴様はあちらの世界では一生独身のまま生涯を閉じるのじゃよ。それでええのなら向こうで時を巻き戻し一生を過ごすかの?あと、言うておくがアリスは貴様が惚れている女子の同正体ぞ。アリスの尻尾の毛の一本があの女子になって生を受けただけじゃ。なら本物のアリスでええではないか?何に文句があると言うのじゃ?≫


俺は愕然とした。向こうで生きてても生涯独身・・・

気を取り直して俺は言った。


「俺は・・・向こうの世界へももう戻らなくていい。ただ、申し訳ないが2~3日

考える時間をくれないか?」


そこであられのない方向から声がした。


【あの~、すみません。お取込み中のところ申し訳ございませんが、私の件について変更等はありませんでしょうか?】


「ねーよ。」


『ないぞよ。』


≪無いに決まっておろうが、大事なところで口など挿みよりよって、すぐにでも落としてやろうか?≫


【すみません。すみません。それだけは許してください。】


そう言って、上半身をさらけ出して、俺に抱きついてきてこう言った。


【多田野さん。もしよろしければ、この豊満なか・ら・だ・、多田野さんの好きに

出来るんですよ。どうですかぁ?】


胸を強調して押し付けたきたが、もう俺はそれどころではなく、こう言うに留まった。


「じじい、この年増の件についても時間をくれないか?役に立ちそうもないが少し考えてみるからよ。」


そういうとじじいは嬉しそうに言った。


≪そうか?このバカの面倒も見てくれるか。ならいくらでも待とうではないか。もし面倒を見てくれるのであれば、貴様にはわしで出来る限りの力の付与をさせてもらうでな、欲しい力があったら考えておいてくれ。では、3日後に来るでな。

あぁ、そうそう。その間に何かあってはならんのでな。加護を付与しておくの。で、

アリスでもバカでも手を出すのであればワシは見て見ぬふりをするんで構わんぞ。≫


そう言ってじじいは親指を立てて消えていった。



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