第3話 一緒になってもらえまいか?
≪それについては貴殿とフェートリルのアリスの魂が呼び合った結果となるんじゃがな。貴殿は本当は転生の間へ送られる予定じゃったのが、そこのバカ娘が間違えてここへ転送してしまったのじゃよ。そこで申し訳ないのじゃが、そこのバカ娘も付けるので一緒になってやってはもらえんかの?アリスについては貴殿と一緒の時は人化する様にするで何とかならんかの?≫
いきなり変な提案をしてきたじいさんに対し、落ち着いた俺はかえしてやった。
「人化しようがしまいが獣なんだろ。それに人化したところで涎を垂らしていたら変わんねえじゃねえか。それに役に立たねえ駄女神まで押し付け様とするのかよ?それって神としてどうなんだ?」
≪ちっ、バレてしもうたか?アリスは問題ないが、バカ娘を押し付けるのがワシの本懐なんじゃが≫
じいさんが小声で言ったことを俺は聞き逃さなかった。
「おいっ、じじい。どういう事だ。駄女神を押し付けるってのは?」
【そうです。私をこんな野蛮人に押し付けるなんて天界神様は何をお考えなんですか?プンプン!】
そう言われ逆上したじじいは駄女神に言った。
≪セイよ。ワシは言ったはずじゃがな。今回失敗したら下界落ちじゃと。それにこの者の傍なら貴様はアリスにも守ってもらえそうじゃから進言してやったのにその様な言動とは・・・もう許せぬ。貴様は闇獣の森へ落としてくれるわ。覚悟せい。それにもう少し自分の年を考えい。何がプンプンじゃ。≫
その一言に駄女神は泣きそうになり、必死で騒ぎ出した。
【天界神様。失礼しました。お優しい気持ちを逆撫でする様な言動をいたしまして。私はこの者の慰み者になりますのでどうかお許しください。ですので闇獣の森は勘弁して頂けませんか?】
泣きながらの訴えだったが、俺は一言伝えた。
「申し訳ないが、駄女神はいらねえよ。役に立ちそうもねえし、お荷物を増やしたくないしな。」
そういうと獣も同調する様にいった。
『確かにセイ様はいりませんな。わらわ達の仲に割り込もうとするのは頂けぬ故にのぅ。』
がっかりした様にじじいがほざいた。
≪ええのかの?ここでは多妻せいじゃがの。という事で、セイよ。貴様は闇獣の森送りで問題ないの?≫
「『はーい』」
【あなたたち、なんで揃って返事するの?みんな私に死ねって言うの?】
≪『「だったら死なない様にしたらいいじゃないか?」』≫
【みんな揃って、私を邪魔ものにして、私が何をしたって言うのよ~。】
「俺をこんなところに召喚した。」
『嘘をついて、この者をここへ召喚した。』
≪ワシがあれほど言ったのにええ加減な仕事をした。≫
二人と一匹の一言に対しまた泣き喚きだした。
【うえ~ん。私だってしようとしてしたんじゃないのに~。みんなが私を
いじめる~。うえーん、えんえん。】
あまりにもイラっときた俺は言ってしまった。
「おい、見た目見繕っていてもババアなんだからいい加減にしておけ。」
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