班決め
ついにこの時がやって来た
小学校最大のイベントを楽しんで終わるか、何か微妙だったねで終わるかの大事な...大事な前哨戦!
そう!
「では、修学旅行の班決めを始めます」
担任の先生が言ったように、始まるのだ、班決めが
「決める上での縛りは人数が四人ってことくらいなんだけど、誰かこの決め方がいい!っていうのはある?」
「無難にくじ引きじゃ駄目なんですか?」
クラスメイトAが答えた
アホか!それだと俺が本田と一緒の班になれる可能性が減るだろ!
ここは1つ反論しておこう
「もしくじ引きで、男女比が3:1になったらどうする?俺なら耐えられないぞ?」
無論、その中本田が居るなら話は別だが
「まあそれは確かにそうだな。じゃあ土佐は何か意見有るのか?」
「幸い、このクラスの男女比を綺麗に5:5だ。だから、仲良い人とペアを組み、そこからペア通しがくっつくというのはどう?」
それ良いねと先生が言った
「それって土佐が女子と一緒の班に成りたいってことか?」
ニヤニヤしながらクラスメイトBが聞いてきた
「中学生になったら、体育は男女別になるし、それ以外でも男女で区別されることが小学校卒業以降増えるかもしれない」
「それに、俺は男子と話すことが多くて女子のことをそんなにしらないから、学校行事で女子と関わる最後の機会かもしれないなら、男女混合で行きたい」
俺は家で考えて来た正論を披露したら、皆が納得してくれた
本田と一緒の班になれる可能性が高まった。
後は誘うだけだ
ん?
いやまてよ、この作戦には致命的な欠陥があるぞ。
"俺が"誘わなきゃいけないのか...
「はーい、じゃあ土佐君の案でいこうと思うので、二人組を組んでください」
まずい...そういうのは慣れてないから....
果たして出来るのか?俺に
「し~んじ」
後ろから結構仲の良い日田空に肩を組まれて、急に小声になり、こう言って来た
「俺さ、石井のこと気になってるんだけど、俺らと、そこのペアで組まないか?」
「んー...石井ともう一人は誰なの?」
これは諦めるしか無いのか...
「えっと、本田と話してるし、本田っぽいな」
「全然良いよ!うん、オレソラノコトスゴクオウエンシテルカラサ、そこのグループ一緒に誘いに行こうぜ!」
「何か一瞬大事なとこが棒読みになった気がするんだが...」
気のせいだと伝えると、先生がペア通しくっつくように指示された
「よし、行くぞ信二」
少し、いやかなり緊張して行ったが、二つ返事でOKされた
どこでもいいというペア達は、先生が適当に決めてった
そのまま授業が終わって放課後になり、ウキウキでいたら、劇の台本で相談が有ると言われて皆帰って人が居ない教室で、本田と話してた
「聖書してて、気づいたんだけど、ちょっと会話が少ないなって思ったから足してみたんだけどどうかな?」
ちなみに劇といっても、5分~10分程度で終わる予定だし、大して文字数もない
数分して読み終わるって、大丈夫だと思うと伝えたら胸に手を当て、良かったあと言ってホットしていた。
その後、配役を相談してもう帰ろうかということになった
「そういえば、信二何か凄かったね。班決めの案」
「何かいつも通りなかいいグループで固まっててもつまらないかなって思っただけだよ」
「それにさ、あのままくじ引きだったら、本田と一緒の班になれる可能性めっちゃ低いじゃん」
「え?」
あれ?
「あ、えっと...仲良く成りたいなって...思って...」
「そ、そっかあ!」
そこからの帰り道は、お互い口数は少なかった。
少し涼しく成ってくる季節のはずなのに、凄く体が熱かった
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