姪の祟り

花子の姪の菜奈が自殺した。


花子は菜奈が中学生の頃から亡くなるまでずっと仲が良くなかった。きっかけは、菜奈が他所で親切にされたことであった。ある時は学校の保健室の先生、ある時は職場の別の部署の人。彼女らは、菜奈が悩んでいたら親身になって話を聞いてくれただけで、別にいびっていなかった。

花子は、菜奈がそんな彼女らに依存してると考え、

「もう関わらないで!」

とよく言っていた。

菜奈の両親はというと、娘の菜奈ではなく花子の肩を持っていた。菜奈には、それがストレスで、自殺をしてしまったのだ。


菜奈は両親、友人、お世話になった目上の人、そして花子宛に遺書を残していた。

花子に宛てた物以外は感謝の言葉があり、花子のには、

「呪ってやる!」

という言葉がほとんどだった。

花子は可愛がっていた姪に裏切られた気分になり、泣いていた。結婚していなかったため、子供がいない花子にとって菜奈は我が子のようにおもちゃを買ったりと可愛がっていた。


菜奈が亡くなって1ヶ月が経った。

花子は菜奈に対してもう悲しい気持ちがなくなり、今度は菜奈が悪い姪だったと思い始めていた。

そんな気持ちだから妹である菜奈の母親に悪口を言うようになり、菜奈の母親は不愉快だった。

ふと見た仏壇に飾ってある菜奈の遺影が怒っているように見えてしまった。

その帰り道、花子は土手を歩いていると見た事がある女性が立っていた。よく見るとそれは死んだはずの菜奈だった。菜奈は花子を見つけると姿を消したかと思ったら今度は花子の側に立っていた。

花子が触ろうとすると菜奈はまた消え、1メートル離れた所に立っていたりと延々とそれを繰り返していた。


次の日、菜奈の両親が花子が心配で警察に捜索願いを出し、2日間捜索し、土手近くの川に花子の遺体が浮いているのが見つかった。

菜奈の両親は

「これは菜奈の祟りだろうか」

と花子の遺体を見て思うのだった。

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