コロナ終息

2022年X月X日、長かった新型コロナウイルスが終息した。


もうマスクをしないで、普通に外を歩けるのだ。

Y氏もコロナ終息の日を待っていた1人であった。彼は、コロナ禍で使用してた不織布のマスクや布マスクを整理していた。不織布のマスクは、風邪をひいて喉を痛めた時に使用しようと考え、不織布のマスクは、普段薬や絆創膏を入れている棚に入れ、布マスクは、物置きのコンテナの中に入れた。

「もうマスクせずに過ごせる」

Y氏は嬉しさを噛み締めた。


せっかくいい天気なので、Y氏は、散歩に行く事にした。公園に行ってもお気に入りのカフェに行ってももうマスクをしている者はいなかった。そのため、会う人会う人にY氏は

「終息してよかったですね。ほっとしました」

と言っていた。


帰り道、マスクをした若い女性を見たY氏は、やんわりと

「マスクしなくて大丈夫ですよ」

と言った。

しかし、女性は不愉快な顔をして

「大きなニキビができたからマスクしてるんです」

と怒りそのまま去った。

Y氏はなんだか恥ずかしい気持ちになり、女性にアドバイスした事を後悔した。

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