第45話
「…確かにヤツが言っている事は本当だな。説明欄にも同じような事が書いてある」
・無限池
無限に魚が出現する池。世界レベルや特定の条件を満たす事で出現する魚が変化する。池の中は0時にリセットされるので要注意。
(いいね。実にファンタジー!素晴らしい!!)
「まあ、この感じならいくら乱獲しても問題ないか」
池の中で暴れまわるクロの映像をスマートフォンで確認しつつ一人納得する大助。何度でもリポップするならば獲らないほうが損だと彼は判断した。
「報告ご苦労。もう帰っても大丈夫だぞ~と言いたいところなんだが」
「…?」
「暇ならちょっと俺の実験を手伝ってくれねえか?一人だと確認が難しくてな」
大助がラビにも見やすいようにテーブルの上に新しく栽培した草を並べていく。その草をキラキラとした目で見ていたラビの顔が段々と青ざめていった。
「ひええええ!?ててて、転移草に自爆草!?ヤバいですよマスター!?」
「あ、その反応。やっぱこの草本当に危険なのか」
大助が素手でヒラヒラと自爆草を振り始める。その姿を真っ青な顔でアワアワと見守るラビ。
「こうかぁ!?こんな感じかあああああ!?」
「きゃあああああ!?マスター!?そんな乱雑に扱うとその草爆発しちゃいますよ!?私達も間違いなくミンチ肉になっちゃいますよ!?」
「……ふむ」
(この感じだとラビでも爆発すればただじゃ済まないってのは間違いないな。演技じゃなくガチで焦ってるし。もうちょっと反応から情報を引き出したいところだが)
パニックを起こそうとしているラビを見て、ゆっくりと自身のスマートフォンに自爆草を収納する大助。その姿を見て安心したのかペタッとその場に座り落ちるラビ。
「死ぬかと思いました」
「悪い悪い。ちょっとフザケ過ぎたな」
てへぺろと舌を出しつつそのまま庭へと歩き出す大助。基本的に人の言葉をそのまま信じたりしないのが彼の常識だ。
「テーブルに置いてある転移草を持って庭まで来てくれ。そこでワープの実験をする」
「っ!?わ、分かりました!お手伝いします!!」
ラビが大慌てで大助の後を追った。
「さてさて、そんじゃ実験を始めますか。そっちは問題ないよな~!?」
「だだだだ、大丈夫で~す!!」
ラビがプルプルと震えながらもしっかりと転移草を握りしめる。
「…ううう。私また死んじゃうのかな?」
魔法に詳しいからこそ転移草の恐ろしさに震え上がるラビ。この草は成功した場合のメリットよりも失敗した場合のデメリットの方が大きいのだ。
基本的にこの草を使う場合は命懸け。万が一事故でも起きればとんでもない大惨事になるのは火を見るよりも明らか。ラビのこの反応はいたって正常だ。というよりも、こんな特級危険物をオモチャ感覚で実験できる大助の神経がおかしいだけなのだ。
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