第43話

(転移草って事はワープとかそんな感じの草か?未来草レベルのチートな感じがするんだが)


大助が1つ1つの草の詳細の確認を始める。


・転移草


 設置した2つの転移草の位置に瞬間移動が可能になる草。2つの転移草をリンク状態にした後にキーワードを設定する事で使用が可能。


※要注意事項


・この草は1日に4回だけ使用する事ができる。

・転移中に外的な要因で草が破損した場合、使用者は時空の闇の中に放り出される可能性がある。


<この草が原因で死亡したプレイヤーが後を絶たないから特別に注意事項を記載しておいたわ。感謝しなさい>


「…なるほどな。確かに事故が起きたら大変な事になりそうではある」


(紛うことなき危険物だ。だがそれを踏まえてもリターンが大きい。超強力な草だな)


 リスクは大きい。だがそれを許容してでもこの草は積極的に取り入れるべきだと大助は判断した。


(なるべく早めに実験する必要があるな。場合によっては俺にとっての切り札になるかもしれない)


 大助が他の草の確認へと移る。


「次はこれか」


・自爆草(低級)


一定以上の衝撃が加わると爆発する草。低級だからと侮ると非常に危険。その威力はドラゴンの鱗すらも貫通する。その特性から加工する事も難しく、害草として扱われている。


「……またヤバい効果を持った草が来たな」


(ドラゴンでもダメージを受けるとかヤバいな。こんなもん人間が喰らったらミンチになるんじゃねえか?)


 草と言うよりも爆弾と呼ぶべきレベルの危険な草だ。


「ハイリスクハイリターンだなこりゃ。まあ当然栽培決定だけど」


 この男がこんな面白そうな草を見逃すはずがない。大助の脳内では既に量産のプランが思い浮かんでいた。


(クロにでも専属で栽培させるか。あいつなら爆発しても大丈夫だろ)


「そんで最後がこれか」


・雷草


雷属性の力を内包した草。使用する事で雷属性の魔法を使う事ができる。非常に危険なので使いこなすには訓練が必要。


「…あれ?普通に良いじゃんかこれ」


 シンプル故に強力。火炎草と同じレベルの汎用性を秘めた草だ。


「こいつを育てれば雷属性の魔法が使用可能に……あれ?魔法って確か6属性って話だったよな?」


(まあ文字通り「魔」の「法」だからな。例外があってもおかしくはないと思うが…)


「一応専門家に聞いておくか」


 大助がアプリからラビへの連絡先を開く。


「…ん?なんだこのアイコン。電話マーク?」


 連絡先画面に新しい機能が追加されていた事に大助は気が付いた。


(今まではメッセージしか送れなかったよな?この見慣れたマーク。つまりお助けモンスターと通話が可能になったという事か?……試してみるべきだな)


 大助が電話マークをタップ。すると数秒ほどでラビが応答した。

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