第37話
「第一回!青空魔法教室の始まり始まり~!!いえ~い!!」
大助がハイテンションでそう宣言する。
「い、いえ~い!!」
「…お~いえ~い」
「いえいえい!」
大助に追随する健気なお助けモンスター達。この場所は某市の山岳地帯。その河川敷だ。言うならば僻地も僻地。こんな山奥に人などまず訪れない。つまりどんな大声も出し放題だという事だ。暇つぶし兼魔法の訓練所として大助はこの場所を選んだ。
「お前たちには魔法についての基礎知識を話して貰おう。もちろん無料とは言わないさ。…全員に最高級の焼肉をご馳走しよう」
大助がクラーボックスの中身を全員に披露する。
「凄く美味しそうなお肉ですね~」
「…涎が止まらない」
「やった~肉だ~!!」
三者三葉のリアクションに大助も大満足だ。
(ふくくく。なんせ1つ数万円する悪魔の霜降り肉だからな。こいつを買うときは手がブルッちまったもんだぜ…)
大助が手早くバーベキューの準備を始める。
「あ、私も手伝います」
「…肉」
「力仕事なら任せてくれ」
折りたたみのイスを設置し、コンロに炭や着火剤を投入していく。
(あ。そうか。こういうときこそ魔法を使えばいいのか)
「クロ?お前確か火とか吹けたよな?」
「できるぞ」
「この木に火を付けてくれ。弱火でな。…そうそうそんな感じ」
極小の黒い炎を吐き続けるクロの口元に薪を近づけ、次々と着火してく。
「…んおお。「黒炎」でバーベキューをする人間なんて初めてだ」
「そうか?なんか火力が強そうで面白そうじゃないか。それじゃラビ。この金網の上に肉をじゃんじゃん乗せて行ってくれ」
「分かりました!」
網の上に肉が丁重に置かれていく。
「…ん。私も何かやりたい」
「そうか?じゃあこの野菜を旨い感じに投入してくれ」
「…分かった」
クラリアの体からよく分からない植物達が伸び、次々と野菜を掴み金網へと投入していく。
「さて、じゃあ肉を焼いてる内に色々と聞くぞ。魔法って何なんだ?」
大助がずっと疑問に思っていた事を口にする。
「魔法とは魔力を消費する事で起きる現象の事です」
「…ユニーク魔法というやつもある」
「魔力ではなく寿命を消費して異常な魔法を使う者もいるぞ。あまりオススメはできないけどな」
大助が魔法に関する情報を収集していく。理解した事は魔法はイメージが重要だという事。魔力の制御が可能だという事だけだ。付け加えるのなら魔法は大きなくくりで3つに分類されている。火、水、土、風の基本的な4属性。光と闇属性という特殊な2属性。そのどれにも属さない無属性の魔法。基本的にはこの3つが原則だ。
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