第24話

「んごほんっ!今のは彼女なりのジョークだから本気にしないでよね~」


「というわけで。ついにお待ちかねのガチャが解禁されたわよ~!はいパチパチパチ!」


「ん?御託はいいから早く回させろって?うんうん。その気持ちは非常によく分かるんだけど、昨今はコンプライアンスやら事前注意事項やら色々とうるさいのよ。だからこの説明も強制的に流れるようになってま~す」


「説明するわね。ガチャは1回3万コイン。10回連続で30万コインという設定よ。…何々?金額変わらねえのに連続で回す意味あるのかよって?安心しなさい。そこは当然配慮してあるわ。なんと10回連続30万コインで引けば、SR以上の何かが確定で排出されるようになってんのよ!」


「何よりも!このガチャには外れアイテムなんてものは存在しないわ!あなたの冒険に役立つアイテムが必ず出るようになってる。これはもうやるしかないわよね!」


「というわけでじゃんじゃんと回しなさい。運が良ければ最高レアのSSRが出るなんてことも……あと念の為に言っておくけど返金とか絶対にしないからね。必ず自己責任で回しなさいよ」


 チュートリアル映像が終わり、画面に豪華な外見をしたガチャが表示された。


「1回引くだけで3万って考えると結構ヤベエな…」


 ラビやクラリアがせっせと働き、大助自身も定期的に植物を栽培しコインに換金している。それでも3万コインという金額は大きい。簡単にほいほいと出せるような金額ではないのだ。だがそれでも、大助の指はノータイムで10連ボタンへと伸びていた。そうだ。大助がこんな面白そうなイベントをスルーできるわけがない。


「試してみようじゃないか。俺の運ってやつをよぉ!」


 30万コインが投入され、10連ガチャが回り出す。


「おらぁあああ!いけえええええええええ!!」


 テッテレーという音と共に、赤色のカプセルが次々と排出される。最後に銀色のカプセルが排出された後、ガチャが終了した。


「うわ…なんか見るからにダメそうな感じだな」


 倉庫に追加された10個のカプセルを調べ始める。赤色のカプセルを開けてみると、中には豆腐が入っていた。


「…はぁ?」


(え?何豆腐って?意味わからねえんだけど)


 他の赤のカプセルを次々と開けるが、やはり中身は全て豆腐だった。


「1個3万の豆腐とか嬉しくて涙が出るぜ。…ん?なんか色が違うやつがあるな……」


 赤色の豆腐もあれば緑色の豆腐もある。気になった大助が詳細を開いた。


・力の豆腐


食べると力が1上がる凄い豆腐。


「…何だよ力の豆腐って?」


(えっと、つまり何だ?この色取り取りな豆腐には魔法の力が宿ってるとかそういう事か?…後で要検証だな)


「そんで最後はこの銀色のカプセルの中身なんだが。…これをどう使えと?」


・メイド服


古の魔術師がその英知を使い作り上げた特別なメイド服。着用するだけで全ステータスに強力な補正がかかる。


(装備として結構強そうなのがなんだかな…)

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