第8話

「ポーション! いいね。実にファンタジーだ!!」


 俺はワクワクしながら商品の詳細を見てみた。


・低級ポーション


最低品質のポーション。

軽度の傷を回復させる事ができる。

価格1000コイン。


「ゲームの回復薬みたいなものか」


「ん~どうしようかな」


 他に欲しい物は見当たらないし、これにするか。低級ポーションを選び、1000コインで購入する。次の瞬間。スマホの画面から丸い瓶が飛び出してきた。


「うおおお!? びっくりした」


 落下する寸前で無事キャッチする。


「これがポーションか~」


 瓶の中には、かなり濁った緑色の液体が入っていた。


「なるほど、低級だからやっぱり品質は良くなさそうだな」


 ポーション瓶をクルクルと回しながら色々と確認してみる。見た目はワインを小さくしたような形だ。ビンの先端部分にコルクが刺さっている。


「この形状だと、中身の液体をぶっかけて使うとかかな?」


「というか、このポーションどうやって保存すればいいんだ?」


 現状だとポーションを使うような用事はない。なんかこう、収納機能とかないのか?スマホの画面にポーションを近づけてみた。...何の反応もない。


「ダメか。なら倉庫画面でどうだ!」


 倉庫メニューを開いた状態でポーションを近づけてみる。瞬間。フッとポーションが消えた。


「おお!?」


倉庫の在庫に、低級ポーション(1)という表示が増えた。どうやら収納に成功したようだ。


「なるほど。ショップで購入したアイテムはこうやって出し入れする事が出来るのか」


制約付きのアイテムボックスみたいな感じだな。これはかなり便利だ。


「おっと。そういえばラビちゃんはどうなってるかな」


 久々に放置モードを起動してみた。ラビちゃんというのは、俺が勝手に付けたニックネームのようなものだ。


 画面が切り替わる。そこで目に入った光景に俺は絶句してしまった。畑が、めちゃくちゃな状態になっていたのだ。


「ええ!?なんじゃこりゃああああああああああああああああああああああ!? 」

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