マヤドゥの天体儀
フィルモサーナ大陸北端にあるランドゴリアにかつて存在した古代王国。その国の大神官マヤドゥが、世界の七大陸を彫り込んだとされる黒石。大きさのは人の握りこぶし程の球形。表面には七大陸が浮き彫りされている。
伝承によれば、大神官マヤドゥは、白銀の髪と夕陽の瞳を持つ女神に導かれ、二つの月世界を旅したという。
マヤドゥは、大きな月の世界では楽しい日々を過ごし、小さな月の世界では、空を見上げて泣く少女と出会う。
少女が指差す空を見上げると、そこには大きな一つの月が浮かんでいた。ヤマドゥは、それが自分たちの世界そのものであることを覚る。
ヤマドゥが少女に振り返ると、その姿は既になく、いつの間にか彼は元の世界に戻っていた。
マヤドゥは自分が見た大きな一つの月を石に刻み、それを御神体として秘匿したという。
この『マヤドゥの天体儀』は、後にフィルモサーナ大陸で有名な七不思議のひとつとなる。
現在、天体儀はランドゴリアにあるミスティリア大神殿に保管されているが、これまで何度も盗まれたり、戦火で一時的に行方知れずになったりしている。
現在、神殿で保管されているものがレプリカであるという説もある。マヤドゥが生存していた時代からいくつもレプリカが作られているので、実際はその可能性は高い。
ただ天体儀の謎は、そこに浮き彫りされている七大陸にある。
古代王国が存在していた時代においては、フィルモサーナ大陸の形状さえ知られていなかった。大陸の測量が完了するのは、古代王国が滅びてから数世紀後のことになる。
フィルモサーナ大陸の形状が判明した後、天体儀に彫られている大陸の正確が、多くの学者や研究者たちの関心を引いた。
古大陸ゴンドワルナを発見した、航海者ファーランはこの天体儀を信じて、勇敢にも東の荒海を進んだ。
ゴンドワルナ大陸の発見によって、天大義は二つの大陸間の位置や距離についてもその正確さが明らかとなる。
これにより、残りの五大陸についても正しく彫られているのではないかと、多くの人々が考えるようになる。
現在、神典に記載されている七大陸については、この天体儀から考案された絵図が使われるようになっている。
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