またの名を…
第1話 最初の名は…
ニョルニール。ベルチ。バハード。
左から隔離、殺人、収容。
それを行うスペシャリストの
その者達の物語はどこから始まったのだろうか…
***
「ああ、美しいイアンサ!君の顔は面白い…私の顔は全く動かないが君は今まで見てきた者達の中でとても素晴らしい顔を見せてくれるよ!!ああ、素晴らしい…素晴らしい苦痛に満ちた表情だ…私が上達した事を教えてくれる良い表情だ…!」
息が続かない。
苦しい。いつも満足に出来ていた呼吸が出来ない…
「ぇ……ゔぁ…………ュ〜……」
辛うじて喉の隙間から空気が中に入る。
喉が変形しすぎて潰れてる…折れた喉から血が出てるのがわかる。
「ああ…良い…良いぞイアンサ!!私もそろそろいけそうだよ…ああ…ああっ!!」
「………」
クソ…更に喉を締めやがった…
またか…死の感覚だ…
何度目だ?何度目なっても慣れる事は無い。
まだ…まだだ…
ま…だ……………―――
「ッア”ア”ア”アアァァァ!??!!?」
喉がバコンと元に戻る。
それと同時に痛みが…頭が痛い…
痛い…痛いよ…
痛い…痛い?痛い…
痛い…痛いってなんだっけ?
「アグッ……ア”ア”ア”ア”アアァァ!?!!?!」
痛い…のかな?
どんどん溢れ出る血が痛い?
魔力を使い過ぎで血管が痛い?
頭から血が出てきて痛い?
痛い…んだろう。
やっと狂った。
狂えたんだ…
死ねる…シネル
ワタシシネル
「………」
最後ぐらい…コイツを道連れにしたいな…
この上に被さっているデブを殺したいな…
今殺せる…
殺すか
「いただきます」
食べる時は挨拶をしないとね。
君が好きな喉を食べてあげる。
君も苦痛に満ちた表情にしてあげる。
嬉しいでしょう?
嬉しいだろう?
「クソアマ…ぁ……」
………ごちそうさまでした
さあ、死のう。
どうやって死のう。
楽しくなって最後まで食べちゃった。
どうしようか?
そうだ…窒息死しようか。
水なら沢山出てる。
大丈夫…これなら死ねる…
ああ…熱い。
舌が火傷してる…
熱い…苦しい…
臭い…死にたくない…
まだ死ねない…
「ゲホッゲホッ……ケホッ…」
なんで…
「なんで…」
『さぁ、なんでだろうねぇ…』
突然声が聞こえた。
『あ、どうも〜こちらデリバリーサービスとなっておりま〜す。ご注文はなんですか?』
やる気の無い声だ。
元気が無い。
「メニューとか無いのだけど…」
『メニュー?んなもん自分で決めなよ。面倒くさい…』
面倒くさい…か…
自分で決める。私は…
『たっぷり時間があるんでゆっくりと決めてくださいね〜。そうすればサボ……こちらとしても利益がありますからね〜』
時間か…
私は…
「ねぇ、良いかしら…」
『え?結構早かったね…ハァ…どうぞ』
「私は…」
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