吐露
「あなたは…今までずっとわたしの影に潜んでいたんですか?一体何故…」そう問い掛ける、困惑した表情の真白。
「理由があってね、ずっと影に潜っていたんだ…でも影の中で影に溶けることなく存在し続ける為には、とある条件が整うまで外の世界には出てはならないという不文律があってね…そういう訳で、この色無し世界を
「とある条件…?」
「きみが知る必要はない…さて、こうして対面出来たことだ、改めて自己紹介し合おうか…ぼくのことは…そうだな、黒とでも呼んでくれ…他の分情みたいにね。」
「!!」
「何を驚くんだい?言ったろう、ずっときみの影にいたって。当然外の世界のことも全部知ってる。他の分情共も、ドッペルゲンガーとかいう連中もね。」黒がせせら笑う。
「…じゃああなたは…あなたは、わたしと彼女達の関係性を知っててあんなことをしたんですか!」
「あんなこと?」
「どうして焔さんを傷付けたんですか!!わたしが感情と記憶を取り戻すのに、彼女がどれほど協力してくれていたか…見ていたのなら分かるでしょう!?」
「……」
「どんな理由があれ、あなたはわたしの大切な人を傷つけた…事情を話してもらえるまでは…」
「黙れ!!!」
それまでじっと耳を傾けていた黒だったが、突如怒声を上げる。
「!?」その迫力に思わず身が固まる真白。
「おまえは……おまえはぼくがどれほどの思いで…」
「…?」
「…おまえにはぼくがいればいい…ぼく以上にお前を分かってやれるやつはいない、だからおまえもぼくだけを頼れ…このぼくだけを…」
「……」
絞り出したような小さい声でそう呟やいた黒…真白はそんな彼女の態度に戸惑いを隠せないでいる。
「…ぼくはきみには絶対戻らない…きみに頼られるぼくがいなくなっちゃうんじゃ、本末転倒だからね。」再びその黒い目を真白に向け、
「あなたは…一体…」
(真白さん…)不意に響く声。
「…!どうしたんですか青さん?」その声の主は、真白の「哀しみ」の分情、青だった。
(緑さんとの戦いで使った情力、その回復にもう少しだけ時間が掛かります…それまでは向こうの情報が未知のまま戦うことになりますが…大丈夫ですか?)
「……」真白は言葉に詰まる。最悪、自身の情力「半死半生」を駆使し「肉を切らせて骨を絶つ」という力押しの戦法を展開しようと考えていた。今までだってそうしてきたし、粘り強く
だが黒の剥き出しの気持ちに触れ、今回ばかりはそんな受け身の姿勢では到底、
「…ともかく今はわたし達で時間稼ぎをします…無茶をさせますが、なんとかその間に力の回復をお願いします!」真白は続けて色違いの自分に依頼する。「黄さん、赤さん、協力を!」
(了解っす!)
(やむを得ねぇか…!)
モノクロームの世界で、その
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