輝劇、第二幕(後編)
光の粒子がユラユラと波打つ父と母の残光を前に、
「さっきの様子だと薄々感付いてるんだろ?その黒髪、君のお母さんだね…彼女の攻撃は、絶対に受け止めてはならない…防御は彼女の前では無意味、何故なら彼女の情力は「防御を無効化する」というものだから。避けるのが唯一の対抗法ってわけだね。」光は小さい子どもに教えてあげるような話し方で、
「さて、ここで問題!「盾不知」が防御無効化ということは、君のお父さんの情力「矛不知」は?一体どんな情力かなぁ?」考えてみろ、と言わんばかりに人差し指で自身の頭を指す光、そんな彼女の挙動に憎しみの視線を送りながら、
「攻撃の…無効化…」
「ご名答!」光はパチパチと手を鳴らす。
「さて、今の授業の間に少し休憩出来たかな?それじゃあ、そろそろ戦いを再開させようか…安心してよ、命までは
「君が情力で視た座長のこと…教えてもらう。」
「……」
あまりにも真剣な目に、思わず
暗い情念が一層強まり、激情紋様の色合いが濃くなる。光が手で合図をすると、
身体をその場で九十度回転させて攻撃を避けた
(なんだこの戦い方は!)咄嗟に「
「「
「…そうだ、そいつらにも出てもらおうか!」光はまるで魔法を使うかのように手を掲げる…するとあちこちで再び、人の形を取った残光が現れ始めた。
(戦況は…
(それよか、どうすんだいあの大群…流石の黒もお疲れのようだけど?)(バカ言うな!ぼくはまだ…)強気を装ってはいるが、激情態の継続は心に大きな負担がかかる。事実、さっきまでは現実世界の真白のほぼ身体全体を覆っていた「
(……皮肉なもんだぜ…この地は丁度、おれ達が分情としてばらばらになった場所…そこで再び、感情が抜け出る羽目になるとはな…)空と海の世界、その中で赤が自虐めいた笑みを浮かべる。
(…やっぱそれしかないっすよね…ま、あの時とは違って能動的に抜け出る訳だし、しかも最小限の感情は本体に残すんだ、単純な戦力増大っす!)黄もまた、ニヤリと口角を上げた。
(はっ!そうこなくっちゃね!やっぱ腹ん中でぼーっと眺めてるだけなんて、あたいの性に合わないんだ!)緑は好戦的に目をぎらつかせる。
(…やむを得ないか…)不服そうに顔を背ける黒。
(向こうに居るわたくし達が急に消えて…皆さんさぞ驚かれるでしょうね…)困ったように、だがどこか愉快そうに微笑む青。
(…皆さん、後で一緒に謝りましょうか………)頬を人指し指で掻きながら、申し訳なさそうに笑う真白…そして再び表に出た彼女はその手の黒刀の
「
「……本当に面白いなぁ…傘音真白!!」
光の目に映っているのは…五人の真白だった。
「奥義……色の
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