眼光、紙背に徹す
白い
「!?」
明らかに動揺した様子の光に、
「あなたがどうして今のあなたになったのか、それを今知りました。ですが……今の光景は、本当に座長さんが望んでいたものなのですか?」
「……………」目を見開いたまま微動だにしなくなった光。「今のこの世界で…本当に座長さんは、心の底から笑顔で…幸せでいられるのですか…?」
「………うるさい…」光から発せられる情念、その雰囲気が変わった…これは「怒り」だ。「僕達のこと、何も知らないくせに……君が僕に
「黒髪と白髪の強かった具情者、二人と一緒に逃げてた子だよね!二人が動かなくなってから急に情念が跳ね上がって…そうだそうだ、君と同じ見た目で色だけ違うやつが五人現れたんだっけか!…いやぁ、何でこんな面白いこと今まで忘れてたんだろう?」そして発された彼女の言葉。
「本当に凄かったよ…たった五人で百人以上いた具情者、皆殺しにしちゃうんだもん!」
全ての感情が戻った時、真白もその事実を思い出していた。しかし改めて他者にそのことを言及され、真白の顔が苦しそうに歪む。
「あの時具情者大群に混じって、僕も君達と遊んでたんだけど…多分楽しすぎて記憶が飛んじゃってたんだな…結局その場で生き残っていたのは君と僕だけ…あっは!そーいや何百人の内、半分は僕が殺っちゃったんだっけ~!?白と黒以外の君はそのままどっかに行っちゃったし、僕も用事があって、倒れてた白い君を置いてその場を離れたんだけど…いやぁ驚いた!」
ケラケラと笑い声をあげる光だったが、やがて笑うのをやめ、吐き捨てるように呟いた。「でも、あの時息の根を止めておけばよかったよ…こんなにも不愉快な気持ちになるなんてね…!」
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