情力目白押し
「♪〜」瓦礫の中を歩く少女、
「お、具情者!てことは…キミがワタシの相手かな?」砂羅を指差しウインクを決めてくるその少女、雰囲気はどこか韋駄天に似ている。
「……」何も言わないが、砂羅のストレスメーターが上がったのは確かだ…彼女の
「へいへーい、ノリ悪いぞーキミぃ!ほら「
!」耳を澄ます仕草をとるその子に、とうとう自制心が効かなくなった砂羅…情力を発現させ、彼女の少し手前目掛けて岩石を飛ばす。とはいえ一応は威嚇程度の攻撃、その子に当てるつもりはなかったが…
「情力発現、「
「エモートゥス戦闘部隊、マイネームは
場面は変わり、今や廃墟と化したビルの中、グリーン・バルのメンバー
そんな彼女を見つめる者が一人。その者は腰のホルスターからハンドガンを取り出し、容赦なく引き金を引いた。サイレンサーがついているので発砲音は出ず、普通ならその弾丸を
「きゃっ!…だ、誰ですか、今わたしを撃ったのは!!」
「ちっ、外したか…」悪態をつき、狙撃主は観錯の前に姿を現した。「初めましてだな具情者…私の名は
「そうだな…まずはその、無様でくだらない猿芝居をやめてもらおうか、不愉快極まりない…」分目に鋭い視線を送られた観錯…するとそれまでの態度は一変、観錯は本性を現した。「なんだ…あなたわたしと同類ですか…やれやれ、邪悪過ぎて嫌になっちゃいますね…」彼女もまた、性格の悪そうな目つきで分目を
瞬間、煙玉を分目の足元に投げつけ、その場の視界が瞬間的にゼロになる。「なんだ、出会ったばかりだというのに、
「情力発現、
「情力発現「
が。
「果たして莫迦はどちらですかね…?」その予想は裏切られ、彼女には何の動揺もなかった。
「成程わたしの情報は筒抜けかもしれない…ならその逆もまた然り、こっちにもあなたの情報は来てますよ。」瞳から分目の情力に関する情報を聞いていたこと、そして持ち前の用心深さから、彼女もまた腰からサバイバルナイフを抜き、その斬撃をしっかりと防いでいたのだ。
「…やっぱり、一つの視界を幻術にかけたところでダメだったか…あなたの情力は…「視界の分割」ですよね?」彼女の問い掛けに、分目は眉をピクリと動かす。
「…あなたは一応「哀しみ」の具情者に分類されますけれども……「哀しみ」を背負っている風には、とてもじゃないけど見えませんね…」「それは…お互い様だろう…?」売り言葉に買い言葉。「そんな歪んだ目してるくせに、善人ぶったポジショントークなんかするな、図々しい奴め…!」悪意が凝り固まった暴言。鍔迫り合いの中、二人の具情者は悪魔のような笑みを浮かべながら吐き捨てた。
「「哀れんでやるよ……この
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