アニメ制作スタッフや声優は低待遇なのか②


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 前回の続きです。


 声優は低待遇なのか? についてお話しましょう。


 声優の待遇については2つの側面があります。


 1つはお金。

 もう1つは働き方。


 まず1つ目の「お金」については、作品の当たり外れに影響されるものの、低待遇とまでは言えないと考えています。


 たしかに、アニメ本編の収録の対価はまあまあ安いです。

 これは声優ランクという制度で金額が決まっています。

 ランクは年次で上げていくことが可能ですが、自分の需要とランクが釣り合わないと仕事が来なくなってしまうので悩みどころです。


 一方、二次利用やイベント稼働では結構いい金額が動いています。

 つまり、自分が関わったアニメがヒットして、二次利用やイベント稼働が増えれば増えるほどお金の面での待遇が良くなる仕組みになっているのです。


 たとえば、某アイドルアニメのキャストに選ばれた新人声優さんは、定期的にライブイベントがあるので若いうちから結構な額のお金が入ってくるそうですよ。

 噂ですけど。


 次に「働き方」についてです。

 こちらは正直に言って過酷と言わざるを得ません。


 特に人気のある若手は『人を呼べる&コスパがいい』という最高の広告塔なのでスケジュールがパッツパツに埋まります。

 それでも人気商売である以上、仕事を受けないという選択肢を取るのにも大きな覚悟が必要になります。


 働き過ぎて長期でお休みが必要になったり、引退を決意された声優さんもいらっしゃいます。


 一方、仕事が無くて極貧のバイト生活から抜けられない声優さんもいます。

 じゃあ、仕事の無い声優さんに優先的にアニメの仕事を回しますか? と言われると、もちろん答えはNOです。


 アニメ製作には数億円というお金が掛かっているので、良い作品を作りたいし、声優さんのネームバリューでPRしたいんです。

 そのためには、人気があったり実力がある声優さんに仕事が集中してしまうのは避けられません。


 当然ですが、そのとき仕事の無い声優さんでも魅力的な声をしていたり、演技がめちゃくちゃ良かったり、歌がものすごく上手かったり、容姿が抜群に良かったり、という人には仕事を回します。


 回します、というより事務所から紹介されたタイミングで作品にハマれば、制作側から出演をお願いします。

 有名で実力がある声優さんを押しのけてでもお願いします。


 それくらい「作品にハマる」ということが重要とされています。

 アニメ制作では頻繁にテープオーディションが行われていて、有名声優でもキャラにハマらないと普通にオーディション落ちます。

 このあたりはキッチリ実力社会です。


 ミュージカルの舞台役者だった緒方恵美さんが、新人声優として参加したアニメ「幽遊白書」のオーディションで、自己紹介の声だけでメインキャストが決まった話はとても有名ですね。


 最近では容姿、歌唱、踊りなどアイドル的な要素を求められる作品も増えているので「作品にハマる」の意味合いが変わってきている感じはします。

 歌ったり、踊ったり、イベントに出たり、公開ラジオ収録があったり、人前に出る機会が沢山あるのだから仕方のないことですが。


 うまく役を掴んだそのあとも仕事が続くか、はもう運ですね。

 出演した作品が代表作(代表キャラ)になるとか、音響監督に気に入られて優先的に仕事の紹介がくるとか、エリートコースに乗れれば勝てそうです。


 これに関しては、テレビに出てくる芸能人とほとんど同じですね。


 働き方改革の波も、個人事業主であるタレント各位にまでは手を出せない、というのは実情というところでしょうか。

 

 さて、今回はこの辺にしておきましょう。



 それでは皆様、良い創作活動を。



―――――――――――――――――――

 最後までお読み頂きありがとうございました。


 アニメビジネスに関する「これなんで?」な質問などありましたら、コメント欄にお書きください。


 答えられる範囲でお答えします。

 長くなりそうなときは、次話を追加します。

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