第24話 ハワイへの企て 前篇

 "あの杖って、清国の太后陛下から略奪したのでしょう?"


 からころり、と杖を鳴らしてまた一歩。


 "ほんと、血なまぐさいお姫様"


 陸軍の名誉徽章も華族の世界じゃ異端の証。


 "皇族が外部生なんて……とんだ傷物ね"


 廊下を歩むたびに聞こえる誹りは、玲那に対する警戒の裏返しでもあるのだろう。深くため息をついて、自分の行きつく果てを案じた。


 華々しいかな、戦場の戴冠式。

 その代償は数知れず、築くはずだった他の令嬢たちとの主従関係も、あるいは皇太子との婚約も、全てが立ち消えとなった今、玲那には10番目の宮家の子女という属性しか残っていない。それが戦功勲章をぶらさげて最前線から帰ってきたとなればほとんど化け物だ、恐怖もするだろう。


(……孤立、してしまいましたね)


 立ち位置としてはほとんどゲームストーリーの主人公だ。


 で、主人公は何をしているのか。

 答え――クラスで3つ隣に座っている。授業中に盗み見る限り、挙動不審というわけでもなく、あるいは何か策を巡らしている風でもない。ただゲームストーリーのままの『主人公』がそこにいる。

 向こうから玲那へ関わろうという素振りはない。けれど玲那は知っている。主人公が枢密院の中枢にいて、歴史の改変を試みていることを。


(転生当日に見た景色……忘れるはずもございません)


 歴史を変える、と臆することなく言った主人公のことはよく覚えている。明治重鎮たちがそれに賛意を示して、皇國枢密院が始動したその日のことを。草陰から覗いていた玲那は全て知っている。


「ゆえに、我関せず」


 玲那を害する存在があるとしたら、それは第一に主人公。第二に敗戦だ。主人公とは決して対立するようなことがあってはならない――ゆえに。皇太子との婚約もなければ取り巻きの令嬢もいない玲那の現状は、理想的でもあった。

 なにせこの学修院で、玲那には一切の既得権益がないのだから。


「そう、これは栄光ある孤立……」


 自分で言っていて虚しくなってきた。お涙ほろほろだ。

 それにストーリーでは主人公はお気立てのよろしくない御令嬢がたに虐められるが、今、その彼女らのヘイトを最も買っているのは玲那なのである。中等部入試で入ってきた平民より、紫禁城から凱旋してきたプリンセス(なお現役陸軍中尉)のほうが何十倍も不気味に決まっている。

 玲那がハチャメチャやったせいで、主人公が主人公たるムーブやフラグを立てる前提条件の一切が揃っていない。


(さすがにここまで破壊したら……ストーリーによる破滅、というのはありませんよね?)


 そこまで考えて、玲那は息をついた。

 皇太子やその他攻略対象、あるいは主人公には決して関わらないこと。距離を取ること。栄光ある孤立を守ること。


「ゆえに……学友など」


 そこまで言いかけて、ガラリと戸を開けた。

 図書室の扉。司書掛の奥のほうに、ひとり座って読書をする少女がいる。一瞬だけこちらに視線を上げると、彼女は言った。


「ずいぶんゆっくりなさったのね」

「……おっと。ひとりだけいましたね」


 玲那はくすりと笑った。

 憮然とした顔で、上洞院茶路はこう返す。


「呼び出しておいて、頓着なさらない人だこと」

「ごめんくださいませって」


 そう言いながらも、玲那は少し微笑んだ。最初に会った頃より、よく喋るようになったものだ。ストーリーでもそうだったけれど、主人公と出会うまでは学修院の環境に失望して誰もを冷ややかに見下していたこのご令嬢が。


「代わりというにはなんですが……、大物を呼んではおりますから」

「……大物?」


 窓の脇まで歩んで行って、玲那は紅茶を沸かす。

 しばらくしないうちに、こんこんと扉がノックされて、一人の男が入ってきた。


「玲那くん……、予も暇ではないのだが」

「おひさしゅうございます。閑院宮親王殿下」


 上洞院が固まる。"親王殿下"という言葉にいうのもあるし、それのほかに、襟元の階級章を見てというのもあるだろう。


「大佐、さま……!?」

「初めまして。近衛司令部参謀付大佐、閑院宮載仁だ」

「はっ、あ、上洞院伯爵家の長女、茶路にございますわ……!」


 上ずったような声で慌てる少女を尻目に、玲那はティーポットを四つほど並べる。


「……四つ?」


 困惑気味にこちらへ首を傾げる上洞院。まぁ、まだここには彼女と玲那と閑院宮の3人しかいないのだからその反応は頷ける――玲那は呆れ顔で、ドアの方へ振り返って呼びかけた。


「なぜ隠れておられるのですか。出てきてくださいまし――!」


「……ネクタイを直していただけですよ」


 ドアの裏から姿を現したのは、長い髭の男。その胸元に揺れる枢密院徽章が、皇國の中枢に座す重鎮たることを物語る。


「しかし、死角ですら気配を悟られるとは……さすがは現役武官さまですね」


 窓際に立てかけられた翠星の杖にちらりと視線をやる松方。ああ、ほんと、誰が玲那を現役武官たらしめたのですかね。

 ひとりごちるのもこの辺にして、けふりと玲那は咳払う。


「本日ここに皆様方を呼びつけましたのは、実は、玲那ではなくってよ」

「……」


 さっきからずっと息を止めたままの上洞院を見遣る。


「皆様を集めておけと、どこかの大蔵大臣が玲那に仰るものですから」

「……ご紹介に与りました。どこかの大蔵大臣こと、松方正義である」


 帽子を取って軽く挨拶した松方に、上洞院は唇を震わせた。


「大蔵大臣――ま……松方、正義!?」

「おお。この娘が上洞院商会の娘さんか」

「な……、なぜわたくしなんかのことを」

「あぁ、少々だが話は聞いておる。そこのお姫様からな」


 あとここでは蔵相と呼ぶのをやめてくれ、これでも一応、学修院ここの客員教授なのだからと彼は続けた。


「姫宮もですよ。ここではせめて松方先生とお呼びください」

「はいはい」


 玲那は適当に流しつつ、書庫の脇にしまっておいた資料を手に取って、くるりと踵を返して、ふわり。松方へと投げ渡した。


「おっと」


 受け取った松方は、それをそのまま机上へ広げる。


「今日ここに呼び寄せたのは、他でもない。次の戦争について、各方の御意見を伺いたく、な」

「次の戦争、か……」


 目を白黒させてフリーズする上洞院を尻目に、閑院宮が呟く。


「やはり、にわかには信じがたい」

「と、仰いますと?」

「相手はあのロシアだろう? 動員可能な兵力だけで何十倍の差があろうものか」


 その言葉へ、松方正義は不敵に微笑んだ。


「いいえ?」


 閑院宮が言葉を止める。畳みかけるように、松方は言った。


「ロシアではありません――次の相手は、スペインです」

「「はぁ??」」


 閑院宮だけでなく、上洞院までもが二人して息を揃えてそう言った。呆れて肩を竦める玲那を横目に、閑院宮は問いかける。


「スペイン……、スペインだと? 聞き間違いではあるまいな?」

「はい」


 上洞院は、ぼうっと壁掛けのヨーロッパの地図を眺めている。南欧、ユーラシア大陸の西の端にあるその王国と、極東の端くれにあるこの国が、なぜ。戦火を交えるにはあまりに離れすぎている――玲那とて、最初はそう思ったとも。


 けれど、松方が机上に広げたのは、太平洋の地図だった。


「カリブ海を巡る合衆国とスペインの対立は頂点に達しており、近い将来に戦争へと発展するでしょう」

「……スペイン植民地帝国の落日、ですね」


 補足する玲那の一言に頷いて、彼は列島の部分に指を添える。


「そして……逃すわけにはいきません、その落日とともに訪れるチャンスを」


 この列島より硫黄島を経て、その南方へ。

 マリアナ諸島、カロリン諸島、そしてフィリピンを囲むように彼は線を引いていく。


「スペイン領東インド。シーレーンの確保、ひいては皇國が海洋国としての存立を担保するにはこの地域の鎮定が望ましい――いわば、

「ちょっと」


 軽く非難の目で大蔵官僚をちらりと見やる。すると、閑院宮がこちらに問いかけてきた。


「玲那くん……事前に聞かされていたのか?」

「ええ。とはいえ、玲那も半信半疑ではございます」


 玲那は松方の描いた「絶対国防圏」とやらの輪郭を凝視する。


 スペイン領東インド。

 フィリピン諸島とマリアナやカロリンといった南洋群島からなる、西太平洋に横たわるその広大な領域は、スペインが領有して300年にもなる植民地だ。

 史実では、明治31(1898)年の米西戦争によって合衆国がスペインからフィリピンを奪取。残る南洋群島は、ドイツ帝国へと売却された。

 のちに南洋群島は第一次大戦の結果、皇國が領有することとなるが、いかんせん時代が悪かった。ドイツ帝国が破れた当時、太平洋への野望を隠さなかった新たなる極東の列強国が、合衆国にとって次なる仮想敵国とされたのは必然であった――あの悲惨な戦争への導火線である。


 今年は、その前年の明治30年。

 まだ皇國がせいぜい三流国家扱いであるうちに、米西戦争へと介入。皇國の命脈シーレーンたる西太平洋を扼したるスペイン領東インドを奪取する。そういう構想だろうか。


 出来過ぎた計画だ、と玲那は思った。


「皇國が英独と始めた中国分割には、合衆国とて黙っていられないところ……特に、フィリピンに関しては多少の譲歩もやむを得ません」


 そうでしょう、と振り返って問う。彼は暫し黙って、それからゆっくりと首を振った。


「……合衆国と全面対決するおつもりですか?」


 思わず目つきを険しくしてしまう。


「皇國は、ただでさえロシア帝国と事を構えるのですよ」

「いいえ。むしろ対露戦争時には味方になって頂きますよ、合衆国には」


 松方の言葉に、すんっと玲那は鼻を鳴らす。

 皇國の南方へ広がるスペイン領東インドを制圧したい、というのは分かる。けれどもそれ以前に皇國は、ロシア帝国の南下の脅威に晒されている。北方に最大の仮想敵国を抱えながら南方に触手を伸ばして、合衆国と衝突すれば――結果は火を見るよりも明らかだということくらい、わかっているはずだ。


 ふとそこに、おそるおそるといった風に上洞院が手を挙げた。


「虫が良すぎはしなくって? 合衆国の東洋進出の野望を砕いておきながら……ロシア帝国に対しては加勢して欲しいだなんて」

「ふむ?」


 じろりとそのお嬢様を覗き込んで、ぽつり、ああ上洞院家の御令嬢かと呟いた。それからゆっくりと、彼は地図へ指先を運んでゆく。


「いや。野望自体は砕かないとも」

「――満州?」


 彼女が疑問の声を漏らすと、彼は淡々とこう返した。


「ああ。連中の本命は大陸そのもの。なれば、そちらを差し上げて手打ちだ」

「差し上げる?」

「正確には共同運営といったところか」


 玲那は目を丸くした。その言葉には、口を挟まざるを得ない。


「共同運営? 合衆国と、満州を? それではまるで――」

「ええ。ロシア勢力圏をまるごと合衆国との共同経営地域と為すのです」

「大陸利権の売却ではありませんか!」


 それは慎重に、言葉を選んで抗議をする。それは玲那の運命に直結するレベルの、致命的な歴史改変だ。


「対露戦争は史上初の総力戦です。臣民は……長期間に渡って重税や徴用に苦しむことになりましょう」

「ええ」

「尋常ではない量の血と汗を流して得た地を……、その半分を合衆国に売りわたすとなれば。日比谷の焼き討ちだけには留まらないでしょう」


 最悪は国体がひっくり返りかねない、と言ってみせる。けれど、この胸の内に秘めた本懐はそこじゃない――"日比谷焼き討ち事件"――それは、あのゲームの最後の山場になるのだから。


「軍隊を動員して封殺するしかありますまい」

「……そこまでして、満州を売る益があるのですか」


 巻き添えで学修院は焼失し、多くの子息令嬢が命を落とすこととなるあの事件。場合ルートによっては、日露戦争を乗り切ったとしても、この命を落とす羽目になる。

 だから玲那は眉間を一層険しくする。けれど彼は、ありますとも、と頷いた。


「露仏による干渉を退け、朝鮮半島を盤石にいたしました。それとは別に、湖広平原から長江デルタにかけて単独の勢力圏も築きました。安全保障上も、国益上も、大陸利権というものはすでに確保しているのです」


 ロシアと衝突してまで追加で満州へと触手を伸ばす必要性は本来ならどこにもない、と彼は続けた。いままでの方向性をひっくり返すその言葉に、思わずといったふうに、上洞院のお嬢様が口を挟む。


「……ロシアと衝突する必要がない、と仰って?」


 こちらを一瞥だけして、彼女は松方へ訊ねた。なれば、対露戦争が起きないのならば――これまで貴女に付き合わされてきたことの全部が無意味になってしまう、そんな焦りを孕んだ目だった。


「うむ。現状だけ見れば皇國から事を構えるメリットはない。英米にとってもそう映るだろう」


 対する松方の返答は、まるで玲那を庇う気もないものだった。溜息をついて、玲那は補足をするように口を挟む。


「……見れば、ですか」

「義和団」


 ひとこと、彼は言った。


「今年はじめより山東半島で勢力を伸長している宗教結社だ。『扶清滅洋』を掲げて攘夷を訴え、華北一帯の求心力を取り込みつつある。これが北京に達した時――ロシア帝国にとって、絶好のチャンスになるだろう」


 西洋勢力の排斥を掲げる反乱軍が北京を占領したともなれば、列強各国の権益が脅かされる事態になりかねない。列強諸国は鎮圧の必要に迫られる。

 しかし連合王国は南アフリカでのボーア人との戦争に忙殺されており、フランス共和国とドイツ帝国はモロッコを巡って対立中。そもそもこれら三か国は本土から東洋までが遠すぎる。必然、まとまった派兵ができるのは皇國とロシア帝国となる。


「攘夷反乱の鎮圧という大義名分を得たロシア帝国が動かないはずもない。なにせ、武力を以て南下できる最高の機会なのだから」


 満州やモンゴルのみならず、下関条約で封じられた遼東半島への進出まで伺える。旅順を獲得し、ロシア帝国が北京を脅かすようになれば清朝宮廷における親露派の増長を招くだろう。揚子江に権益を保持する連合王国にとっては、看過しがたい問題だ。


「連合王国は是が非でも『誰か』に動いてもらわなければ困る。また、ロシア帝国が大陸のパワーバランスを乗っ取ろうとすれば、機会均等と門戸開放を掲げる合衆国にとってもロシア帝国を抑える『誰か』を必要とせずにはいられない」


 ある程度の軍事力を持ち、大兵力を満州方面へ動員でき、ロシア帝国を堰き止められ得る。そんな「誰か」なんて、もはや一か国しか存在しないと彼は言った。


「英米ともに、皇國を望まずにはいられまい」


 しかし、今の段階における皇國の長期目標は、本土を護る外郭線を構築すること。台湾や朝鮮を確保した現状、これ以上大陸方面へ進出する旨味はないようにも思える――少なくとも英米にはそう思わせる。


「ゆえに。乗り気ではない皇國をロシア帝国へと差し向けるために、英米は皇國への手土産を用意する羽目になる。そういう筋書きにさせる」

「——っ!」


 はっ、と上洞院は目を見開いた。


「米西戦争への介入とスペイン領東インドの獲得の引き換えに、ロシア帝国への防波堤役を引き受けるということですの?」

「「……!」」


 玲那と松方は、同時に息を呑んだ。理解が早い。


「ぁ……、あぁ。ついでに、勝利の暁には満州を共同経営しようと持ち掛ければ話は早いだろう」


 取り繕うように、松方は言葉を返す。

 上洞院の言う通り、松方が――いいや枢密院というべきか――描いているのは壮大な世界領土の取引だ。


 皇國は満州を売り払ったところで長江南岸がある。多少の痛手にはなろうとも、代わりにフィリピンと南洋諸島を手に入れることができるのならば、補って余りある。

 合衆国にとっても、本命はあくまで中国大陸だ。その経路に過ぎない太平洋上のスペイン領を皇國に与えた程度で、ロシア帝国を押しとどめ、万一勝利の暁には満州を得る。スペイン植民地帝国の領土をカリブ海の一切は合衆国、東洋の一切は皇國、そういう平等分割だとも言えるわけだし、悪くない話だろう。


「連合王国にはこれの了承と、南シナ海における主導権を要求する。バルチック艦隊の迎撃には南沙諸島が鍵になるからな」

「……はっ」


 黙って聞いていた閑院宮殿下が、笑いとも呆れともつかない吐息を漏らす。


「スペインと戦争をするために、ロシアとの戦争を買って出るようだな」


 それは少し違うな。けれど、それは松方の戦略を事前に多少なりとも聞かされていた玲那だからわかるのであって、ここで初めて知らされた閑院宮や上洞院に、すぐ整理をつけて理解しろというのは酷だろう。


 何気なく、隣の少女へと視線を滑らせる。

 上洞院茶路は、大いに広がる机上の太平洋を前に、小刻みに身体を揺すっていた。その様子が不審なものだから、玲那はそっとその表情をのぞき込んでみた。


「……っ」


 玲那は固まってしまう。その桜色の唇は、高速で何かを紡いでいた。その動きを読んでみようとする――……ロシア帝国が大陸で伸長すれば皇國の利権も揺れるし、三年前に喪った北方地域のこともある。けれどこれらの皇國とロシアの潜在的な対立要因を隠すなり矮小化するなりして、英米にはまるで皇國が対露戦争に乗り気じゃないように思わせる。これで皇國に出てもらわなければ困る英米は、皇國の米西戦争への介入とスペイン領東インドの確保を認めざるを得なくなる。英米の了承のもと南洋を確保した皇國は、満を持して北進へ転じて北方地域を制圧する。

 皇國の存立を保障する外郭線を、北と南に一気に設けられる策だ。皇國を一気に列強国たらしめる決定的な一手だ。


「待て……、貴様。何が見えている?」


 その異様さに、松方は声をこわばらせて訊いた。

 顔を上げることなく、上洞院はこう答える。


「北進論に見せかけた、南進論?」

「——っ!」


 絶句する玲那。松方も、わずかに目を見開く。


「日露戦争は回避できないとして。けれど特異なのは、その戦果を大陸にではなく、太平洋に求めるところですわ――……言うなれば」


 その瞳に見たこともないような深紅を灯しながら、彼女は図上へ手をもっていって、すとり。フィリピンと南洋諸島へ日章旗を突き立てた。



「日露戦争を以て、南進する」



 この一瞬で、ここまで的確かつ簡潔な言語化。その叡智こそ、まさにストーリーに描かれたとおりの上洞院茶路だ。


「……ほう」


 松方正義は、にやりと口角を上げた。

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