文章全体が美しくまとまっていて、奥行きのある物語です。5000字にこれだけ詰め込んだら、私ならぐちゃぐちゃになってしまいそうなところが、簡潔に、だけど言葉の一つ一つが輝かしく散りばめられている。『作品』とはこういうものかと、改めて考えさせられました。どの一節を抜いても星のように煌いています。まさしく『星の本棚』に永久保存版として収容されていてほしい作品です。
また、Web小説は改行をして文章に余白を作るテクニックが多様されていますが、この作品には無駄な余白はありません。なのに読みやすくて、美しく見えます。一文の長さ、改行のタイミング、言葉のチョイスが絶妙です。作者様のセンスが眩いほど光っている。書く者としてとても参考になりました。
本好きとして読了後の満足感、幸福度の高い作品です。『書くこと』が好きな人にもぜひ読んでいただきたい！