KAC20226 6回目 お題 焼き鳥が登場する物語

焼き鳥は塩派だ。塩対応、嫌いじゃない。むしろウェルカム。ちょっぴりマゾっコの己。55歳。ゴーゴー!


世田谷の焼き鳥屋にいた。焼き鳥盛り合わせを食らっていた。己は学生時代、ときたま「鶏皮不足」でいてもたってもいられなくなる病に罹患していた。そのときもそうだった。

焼き鳥盛り合わせ。塩&タレミックス。塩派の己はもちろん塩だけ。しかも鶏皮だけを食らう。しみじみ食らう。

そして毎回食べるたびに稲妻に打たれたような衝撃に見舞われる。

嗚呼…! こんな旨いものがこの世にあっていいのか? プリプリとカリカリの絶妙なコンビネーション! ジューシーな脂がダイレクトにお口に広がる、ジュワッとな! ああ〜ん、鶏皮の悦楽…。ああ、ああ、ああ…あはは〜ん。

官能なのだ。鶏皮の塩焼きを口に含むたび、まるで宇能鴻一郎の官能小説なのだ。

塩だけでこんな旨いものをわざわざ甘ったるいタレに漬けて食らうヤツの気がしれん。

ちなみに「心友、あらため今は妻」は断然タレ派だ。

「ねっとり〜。甘〜いのが好きなのぅ〜」

と鼻にかかるような声で場末のスナックでくだまく熟女を演じているうちはまだまだ素面。

ビールをピッチャーごと飲むこと二杯半、…くらいからだんだん♂化していく。巨乳はそのままで(グッジョブ!)


当時(学生時代)は幼なじみの彼女(今妻)を心友だと思っていて(己の方だけ)、彼女の方は…。

ウーン、たぶんセフレとでも思っていたんでは!?


木久扇(当時・木久蔵、愛称:きくちゃん)と結婚したいと思い詰めていた己。しかし、女とときどき「よろしく・しっぽり」やっていた己。

「あの、内緒だけど。笑点のきくちゃん、めっちゃタイプでェ…。実は結婚したい…」そっと心友にカミングアウトしてみたところ、

「はーあ? なんかコイツ今すんげバカなこと言いだしてっけどぉ」

と言われるのもまあ仕方ない。

でもでも、そのあとのことは……!

酒の勢いもあったろう。彼女(今妻)はヒジョーに酒癖が悪かった。酔って繰り出す猥談のあまりのえげつなさぶりにサークル入会希望の新人(男子)が何人泣かされたことだろう。己は泣かない。むしろちょっと嬉しい。なんせ下ネタマニアだし。

だがこのとき、世田谷のちょっとオサレな焼き鳥屋で幼なじみあるあるで彼女が己の国宝級の秘密を暴露ったことは本当にいただけない。店の人も、サークルの同期も後輩もみんな聞いていた。いつの間にか耳ダンボだった。巨乳(推定Gカップ)の演説に酔いしれていた。

「コイツよう、なんか男と、しかも落語家と結婚したいとか言い出してホモ気取り? BL中の人? みたいなバカ発言かましってけどよ。ま、女の、しかも巨乳の、推定Gカップの、アチシと週5でヤリまくってんのはおいとくとしても、だ。

コイツ、パンチラマニアだぜ? 小学3年生のときから、机の鍵付き引き出しの中の鍵付きノートの中にスクラップしてたの、マンガのパンチラシーンばっかだぜ。よくもまあ、そんなパンチラシーンばっか切り抜いたな、って感心したけどよ。パンチラだけで抜けんのか? って心配にもなったけどよ。パンチラから一向に次のステージに進まないから、こっちはいい加減欲求不満だよ! とっとと次のステージに進めや、この豚野郎! いや鶏皮野郎! 鶏皮×××野郎!」…あああ、いただけない、いただけない!


ちなみに。世田谷のオサレな焼き鳥では×××も当然P音ナシだったよ!



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