俺の娘は可愛いしかない。ある日家に帰ると。
ケイティBr
離れるほど、愛おしく
俺は32歳、子持ちのサラリーマンだ。
今、現在仕事で出張に出ているが、家には可愛い奥さんとそろそろ5歳になる子供が待っている。
今回は、仕事で長めの出張をする事になり。家から遠く離れた場所にいる。
今までは、数日程度の出張であれば、奥さんの方がよく電話してきていたんだが、今回はいつもと様子が違った。
娘が、スマフォの使い方を覚えたせいか、ボイスメモを送ってくるんだ。
娘:『お父さん今どこ』『なにをしていますか?』『いつ帰って来ますか?』
と言う風に。でも俺は仕事中だったんで、ボイスメモは確認できてなかった。あとで確認しようと思って、すぐには返信してなかったんだ。そうしたら奥さんから
奥さん:あなた、ちゃんと返事してあげてよ。娘ちゃん泣いてるよ。お父さんは私を愛して無いって。
俺:あ、ごめん、イヤフォンとか持ってないから。ホテルに戻ってから確認しようと思ってた
俺:それで、なんて言ってたんだ?
奥さん:早く家に戻って来て。だって
俺:日曜の昼には帰るから、待っててねって伝えてもらえるか?
奥さん:伝えておくけど。ボイスチャット出来ない? 娘ちゃんが話したいって
俺;え、、、今、食事食べた帰りで外なんだけど。今月の容量無くなっちゃうよ。後じゃだめ?
俺が、外で実の娘と話すに躊躇していたら
プルプルプルプルプル
と通知が来た。もう来てしまったのならしょうがない。と俺は通話に出た。
『おとーさん。おとーさん』
『あぁ、娘ちゃん。元気だね。お父さんだよ』
『おとうさんはいつ帰るの? 会いたいよ』
『土曜日の昼に帰るからね。いい子にしてまっててね』
娘は、俺と話が出来ただけで楽しそうだ。
今まで、娘からこんなに求められた事はなかった。俺もとても会いたい気持ちになってそのまま話をしていたら
『おとうさんの顔がみたい。顔見せて』
俺は今、外でイヤフォンが手元になかった。だから、周りが気になってボイスだけで話してたんだ。でも、こんなに求められてるなら周りの事なんて気にせず、カメラモードで通話してしまおう。もう娘と話せるならなんだっていい。
『娘ちゃん、ごめんね。これで良い? みれるかな?』
そういいつつ。画面を見ると。娘の隣に奥さんがいた。
奥さんはしょうのない娘ねぇ。と言う顔をしながら、娘と俺を見ている。あぁ早く帰りたくなった。
『おとうさん、今どこなの? お外?』
『あぁ、外だよ。だからそんなには長く話せないんだ』
『お外でなにしてるの?』
『ご飯食べた帰りだよ。いまホテルに向かってるんだ』
『そうなの? それでいつ帰るの?』
『土曜日、、だからあと二日後、、、夜が二回きたら帰るよ』
『えー。早く帰れないの?おとうさんに会いたいよ』
『んー、、、会社にも言わないといけないから面倒なんだよ』
娘はよく分からないと言う顔としているが、隣の奥さんが説明をしてくれてる。それえなんとか納得してくれたようだ。
『それじゃ、そろそろ本当に容量ヤバいから、ホテル戻ったらまた連絡するからね』
『うん。おとうさん』
『そこは「はい。お父さんでしょ」娘ちゃん。それじゃ、またあとでねあなた』
そう言いつつ、通話が切れた。途中きれないか心配だったけれど良かった。
俺は何かを達成した気分を味わい。道端と言うのも我慢出来なくなって、娘からのボイスメモ聞きながらホテルへと戻った。
戻ったあとは通話した時には、もう娘は寝てしまっていて奥さんと話たんだけれど。娘ちゃんは俺と話せて満足していたみたいだ。良かった。
土曜日にはなるけれど、その日は早く家に帰ろう。そう決意した。
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そして、出張を終えて俺は自宅のマンションに帰って来た。
いつもはチャイムを鳴らさず玄関を開けるけれど。
今日はチャイムを鳴らして入ろう。そんな気分なんだ。
ピンポーン
と音を鳴らしつつ、玄関のオートロックを解除して、扉を開いた。。。。
「あ、お帰りなさい。あなた」
「ただいま。娘ちゃんは?」
「そこにいるわよ」
リビングの奥の方を見ると娘が居た。
俺は思わず腕を広げて、娘を呼ぶ。
「娘ちゃん、お父さん帰ったよ!」
俺は、今すぐハグしたい気分なんだ。きっと娘もそうに違いない。
と待って居たんだが、娘は一向に寄ってこない。どころか
「あ、おかえり。おとうさん」
とだけ言って、リビングから寝室に行ってしまった。。。
これは一体どういう事だってばよ! そう思って奥さんを見るが奥さんも『さぁ?』と言う反応しか返してくれない。
離れてる時は、俺たちはあんなに求め合っていた。その筈なのに。
寂しさのあまり、奥さんに抱きついてしまう。そして今日の夜はどうですか? と聞いたところ。
「生理来てるから無理」
どうやら俺は、二人の女の娘から同時に振られたらしい。。。
おわり
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あとがき
【KAC2022参加作】お題:ラブコメ
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俺の娘は可愛いしかない。ある日家に帰ると。 ケイティBr @kaisetakahiro
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