噴火したたかしくん

鮭さん

第1話

「はいはいはい、なんで寝るの!!とかいってるけど人間は寝る生き物なんですよ当たり前のことですよね?」


 と授業中に注意されたたかしくんは言いました。私はたかしくんがとても苦手です。なぜならいつも先生に口答えばかりしているから。口答えが好きなのかな?


「たかしくんってさ、口ごたえが好きだよね。」


 私はたかしくんに話しかけてみたのでした。たかしくんはメガネをかけていて地味系男子ですが口ごたえが好きなんですよ。


「俺は口答えが好きなんじゃねえ。はい、論破!!」


 とたかしくんは言ってきて.....なんだこいつ.....。なんなんだこいつ....。論破?かっこいいと思ってるのかな??なんなんだろう??なんだかよくわからないけど....ん??顔が熱くなってきました....。なんだこれ、なんだこれ....嫌いなはずなのに.....恥ずかしい....。たかしくんに、たかしくんに見られている.....。もう、もう言っちゃおう!!


「た、たかしくんってか、かっこいいね!!」


 うううううーっ!!勇気が入りましたが言ってしまいました。いやもうパニックです。こんなこと言うことになるなんて....。こんなつもりで話しかけたんじゃないのに.....。すると....たかしくんの顔もちょっと赤くなってきているではありませんか!!


「お、俺はカッコよくねぇし.....。はい論破!!」


 とたかしくんは言い、そしてそっぽを向きました。もう真っ赤。火山のように真っ赤です。


 ドガーンッ!!


 がー!!たかしくんは噴火しました。


 大変だ逃げろー!!


 逃げろ逃げろー!!


 教室は燃えました。避難訓練の時に聞いた音が校内中に鳴り響きました。


「これは訓練ではありません。3年B組の教室から出火しました。みなさん、直ちに避難してください。落ち着いて、直ちに避難してください。」


 うわあああああああああ!!


 おはしもち、押さない、走らない、喋らない、戻らない、近づかない、逃げろ逃げろ逃げろー!!ぬおー!!


 うわあああああああああ!!


 ぎゃぴーーーーー!!


 大変だ大変だー!!


 熱い熱いー!!


 私たちはたかしくんを置いて逃げました。焼け跡からはたかしくんの遺体が発見されました。


 完

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