第6話 看病……
僕は……樹里さんを抱き抱え
余り、樹里さんに動いている
衝撃を最小限にして……
病院へと走った。
抱き抱えて……走っていると、
樹里さんは、僕の方を見ながら
わんわん泣いていた。
僕は……訳が分からずに
とりあえず、病院へ走った。
病院へ着くと……僕は、樹里さん
の保険証やらが無いことに
気が付いた。
とにかく樹里さんは……
高熱を出しているので僕は
受け付けの方に、頼み込んだ。
《 あの!この女性、、、凄い
高熱を出してて……
どうか、見てもらえませんか?》
受け付けの女性は、僕が樹里さん
を抱き抱えているのを見て、
《 とりあえず、患者さんを
そちらのソファーに寝かせて
下さい。熱を測ってもらいます!》
僕は……必死だった。
樹里さんの服のボタンを外して
いくと、樹里さんが……
恥ずかしかった。僕はまた
樹里さんを叱った。
《 樹里さん!!今は、患者
なんだよ?!
恥ずかしかっても仕方ないだろ?!
さぁ、熱を測ろうよ! 》
樹里さんの白くて、美しい素肌が
僕の胸を……しめつける。
熱を測っている間……
樹里さんは……顔を赤くしていた。その赤さは、
熱のせいなのか?恥ずかしさ
なのか?!
僕には、分からなかった。
《 ピピッ……ピピッ……》
熱が、ようやく測れた。
その体温計を見てみると……
【 …………!!!?え!】
(さ…………39度6分……!!?)
僕は、慌てて体温計を受け付けの
女性に、渡すと、、、
受け付けの女性は慌てだした。
受け付けの女性は……僕に対して
《 御家族様ですか??! 》
僕は……為す術が無くて、
首を横に振る。
《 僕は……この方の知人です!
たまたま、見かけたので。 》
受け付けの女性は……話しを続ける。
《 御家族様とは?知り合いですか??!》
《いえ……知りません。》
《 緊急入院に、なりますので
後は、こちらで手配します!》
《 すみません。よろしくお願い
致します!》
樹里さんを見てみると……
さっきよりか、息が荒くなっていた。
意識も……遠のいている様に
見えた。
僕は……いてもたっても、
いられなくなり……。
ガラス越しに、病院内の対応を
見ていた。
樹里さんは……応急処置で、
酸素吸入の為に、酸素マスクを
装着していた。
僕は……不安になってくるのを
必死で、こらえた。
《 樹里さん!!樹里さん!!
大丈夫だろうな?! 》
僕は……立ちすくんで
自分の無力さに……肩の力を
落としていた。
( 樹里さん!? 俺を、、、
待っていたって……確か話して
たよな。俺のせいなのか?
俺が……俺が悪いんだ!
樹里さん!……ごめん!)
僕は……その場に座り込んだ。
両手を合わせ、
必死で、神に祈った……。
僕の頭の中は、不吉な事を
考えていた。
【 樹里さんが……樹里さんが
……目を覚まさなかったら?!
僕の事を……有藤くんって……
呼んでくれなくなったら……。】
樹里さん……!
樹里さん……!!
お願いだ……目を……目を
開けてくれ……!!
もう一度……あなたを
抱きしめたいんだ……!!
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