第7話 そして……
僕が、、、行き場の無い気持ちを
押し殺していると……
樹里さんの母親らしき人が
慌てて、病院へ駆け込んできた。
【 あ!……あの!田中樹里の
母親ですが……娘は?!
娘は?!大丈夫なんですか。】
受け付けの女性が……対応して
いた。
そして……僕の方へと案内をして
《 こちらの男性が……
急患で、運んで下さいまして。》
樹里さんの母親は、僕へと
深々と頭を下げた。
樹里さんの母親は……顔を上げると、涙を流していた。
《 あの子のお友達?!
助けてくれて……ありがとう
ございます!
樹里が……落ち着いたら。
お見舞いとか、気軽に来て下さい。樹里も、喜ぶと思います。》
僕は、うつむいてしまった。
樹里さんの病気を、聞きたかった。
でも……失礼かな、、、?
と悩んでいると……樹里さんの
母親は……話し出した。
【 あの子は……産まれた時から未熟児でね?それに病気も併発しちゃったの……。
私のせいね。でも……樹里は
私を……責めなかったわ。
逆に私に、こう言ったわ。
《 お母さん。産んでくれて ありがとう。私は……幸せよ》
と……だからこそ。樹里の好きに
させていたわ。
あなた……有藤君?……?】
《 あ!!はっ!はい……! 》
【 そう。そうなの。
樹里が……よく貴方の事を
話していたわ。
《 私、モテるのよ……? 》
って……嬉しそうに、、、、。
これからも、樹里の友達で
居てくれる??
あの子は……あの子なりに
寿命が短い事を、自分の気持ち
の中に押しやっていてね?
きっと、あなたと想い出を
作りたかったのね?? 】
樹里さんの母親と、僕は……
ソファに横並びで座って話していた。
その空気感は……まるで
昔からの、、知り合いの様に
僕は……感じていた。
樹里さんの母親が……呼ばれた。
僕は……これ以上、ここに
居ても仕方ない……と思い。
樹里さんの母親に、
【 また訪問させて頂きます。】
と挨拶をして、
走って病院を出た。
僕は……どこをどう走ったのか??
訳が分からずに、
知らず知らずの内に、
公園近くの、僕の自転車を……
置いた所に、戻っていた。
なぜか、学校へ向かおうか。
と思い。
その日は、僕は昼過ぎに
学校へと……着いたのだ。
学校へ着くと……みんなが
はやし立てるどころか、
教室内は……シーーーーンと
とても静かだった。
担任の先生に、
【 有藤、久しぶりだな。
よく来たな。立派だぞ。
先ほど、田中樹里さんのお母様
から、礼の連絡が入ってな?
有藤は、人助けをしたそうだ
みんなも……有藤を見習う様に 】
クラスメートが……
シーーーンとしていた。
中には、
《 すっげーじゃん、和也! 》
《 ヒューーーー!!》
突然、クラスの中は……
歓喜の声がどこからも上がった。
《 和也ーーーーー頑張ってーーーーー!!!》
《 女じゃん?!女、、、。》
クラスの中では……
僕は……休んでる間に、、、
男を磨いてきたことに
なってしまった。
少し、気恥ずかしかったけど。
僕は……ようやくクラスメートに
溶け込めたんだ。
と……樹里さんの母親に
感謝していた。
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