第5話 再会
あの冷え切ったココアを
飲み干して……
僕は……失恋の辛さを知った。
~三日後……~
僕は逃げてる訳にも行かず、
学校へ行く準備を、けだるそうにしていた。
時間を見ると……八時過ぎ。
一ヶ月ぶりの学校へ登校する
事になる。
僕の通ってる高校は、
意外と近くにある。
自転車通学が許されていたので
僕は……迷わず自転車通学を
していた。
深い紺色のネクタイを締める。
久々の制服に、僕は
気が重かった。
《 みんな、みんな、嫌いだ 》
こうなったら、成績優秀になり
トップで高校を、卒業しよう。
と、腹を立てながら考えていた。
( トントントン…… )
階段を降りて行くと、、、、、
母親が……僕の姿を見るなり
驚いていた。
あ然と言うべきか……?母親は
《 和也?!大丈夫なの?
そんなに無理して…… 》
僕の顔は、青ざめていた。
それは……母親がとても心配する
かの如く。
【 俺は……自分で自分の
殻を破るんだ……。】
母親は……その言葉を聞くと
うなずきながらも……
《そうよね?いってらっしゃい 》
母親は……玄関まで見送って
くれた。
僕は……行ってくる!!
と、母親に一言残し……
自転車を出した。
《 さて!戦いは始まった! 》
僕は……勢いよく自転車を
走らせた。
途中、コンビニの前を
横切った。その後もコンビニ近く
の公園も、横切ろうとした。
その時に、僕は……ある光景を
目にした。
僕の心臓は……思い出すかの
様に、激しく脈を打つ。
【 ドクン……ドクン……ドクン……。】
そこには、樹里さんが……
立っていた。
足取りが、フラフラだ……。
しかも一人で。
《 危なっかしいな…… 》
僕はずっと樹里さんを……
観察していた。
樹里さんはベンチに座ったり
辺りを見回したり、
落ち着きが無い。
《 この間の彼氏を待ってる
のかな……? 》
しばらく、僕は……樹里さんを
見ていると
樹里さんが……こちらに気が付いた。
有藤くん!!……
樹里さんは体調を崩していても
誰かを、待っていた。
僕は……仕方なく自転車を止めて
樹里さんの方へと
ゆっくり歩いて行った。
樹里さんは……僕の顔を見るなり
涙をこらえていたのが
耐えきれず。に
次から次へと涙を流していた。
樹里さんの様子が……明らかにおかしいので。
僕は樹里さんの額に、手を
当てると………
《…………!!!》
樹里さんが高熱を出していた。
僕は……樹里さんを
叱り飛ばした!
《 何やってんだよ?!
樹里さん!!ダメじゃ
ないか!!寝てなきゃ!》
樹里さんは……僕の胸の中へ
倒れ込んできた。
熱が……凄い!
《 樹里さん!!しっかり?!》
樹里さんは……僕の胸の中で
力を振り絞り、一言発した。
《 はぁ、はぁ……。わたしね
有藤くんが……はあ……来るだろうか?と、はぁ……
げほっげほっ。
ずっと……待ってた。はぁ……
だからね……はぁ。》
僕は樹里さんを……抱き抱えて
病院へと、急いだ。
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