誰で大量のティッシュ生産したのか
あまりに予想外すぎて無心になっていたが、すぐさま現実に戻る。
「おい立花!!!」
「なにお兄ちゃ——むぐむぐ!?」
「ちょーとお口チャック!!」
今更、立花の口を塞ぐ律也。それだけパニクっているのだろう。
対して由里香は分かっていなそうな顔をしている。
「律也、立花ちゃん離してあげなさいよ。可哀想よ!」
「いいや、ここでコイツは……」
「ぷはぁ!? ふざけるな! 妹を窒息死させる気!」
「テメェこそ俺を社会的に殺す気か!」
「由里香ちゃんお兄ちゃんがいじめてくる〜〜」
由里香の背後に隠れる立花。べー、と舌を出して威嚇したと思えば、何やら由里香の耳元で囁いた。
瞬間、由里香の顔がぼん!と赤くなる。
「り、律也のばっ、ばばばばばば馬鹿っ!!」
「おい立花テメェ次は何をいいやがった!!」
「さぁ?」
「ちょっ由里香さん!? どこに行くの!!」
「っ〜〜〜〜」
由里香は顔を真っ赤にしたまま、律也の部屋を飛び出した。
残るは律也と立花。
「なんのつもりだ! せっかく人が誤魔化したというのに! しかも昨晩のアレはお前が送ってきたんだろ!!」
「可愛い妹のせいにしないでよー。それに、いつまでも見守っているほど私、優しい妹じゃないから」
「ゔ…………」
コイツ、ほんとこういう時だけ頭働くよなぁ。
「ほら早く着替えて由里香ちゃんに追いつかないと学校でも変態扱いされるよ」
「くっそ、誰のせいだと思って……」
朝ごはんは立花に食べられたので、律也はさっさと制服に着替え由里香を追いかけた。
(由里香side)
「律也の奴へ、変態すぎでしょ!!」
ひ、ひとりでその……しちゃうなんて……。
『お兄ちゃんが大量ティッシュを生み出した理由は……一人でエッチしてたからだよ』
た、確かに溜まると体に悪いって聞いたことがあるような……ないような……。
「馬鹿っ、変態。ティッシュぐらい捨てときなさいよ……っ」
悶々とした気持ちで早足で歩く由里香。しかしふと、足が止まった。
1人でエッチなことをしていたとはいえ、あんなに大量のティッシュを生み出すことができるのだろうか。
何かないとそこまでならないだろう。
例えば——好きな人を思い浮かべながらとか。
「……誰であんなに大量をティッシュを」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます