対策を考えよう①

「おはよう律也〜、ってなんでそんなに疲れてるんだ?」

「ぜぇぜぇ……朝から結構なカロリーを消費しているでねぇ……」


 教室に着くなり、律也は膝に手をつきゲッソリとした様子だった。

 律也の友達のかいは不思議そうにするものの、とりあえずペットボトルの水を渡してあげた。


「ありがとう……。ごくごく……ぷはぁ! 寿命1分伸びたわ。それで由里香は?」

「そういえばお前ら珍しく一緒に来なかったな。由里香さんなら……さっきから自分の机にうつ伏せになってるぞ」

「へ?」


 律也は海が指差した方を見る。言葉通り、由里香は机にうつ伏せになっている。しかしそれは眠っているというわけじゃないだろう。耳は真っ赤だし。


「律也が……律也が……うぅぅ〜〜」


 なんか言ってるし。


「……何があったのアイツ?」

「俺の方が聞きたいわ。どうせ原因は律也だろ。なに、喧嘩?」

「いや、それよりも深刻。すぅ…………大量のティッシュ」

「っ!? なるほど……」


 海は大量のティッシュというワードに肩を震わせながらも、深刻そうな顔をする。


「……それで状況は?」

「妹にバラされた」

「……わぁお」

「どうすることもできん」

「今更ティッシュを捨ててもだよな。由里香さんどんな反応してた?」

「顔真っ赤にして逃げ出された」

「まだマシな反応じゃね?」

「これからだろ。これからもっと恐ろしいことが……ガクガクブルブル」

「これに関しては俺も協力できることが限られる。なんたって大量のティッシュ決定的証拠が出てしまったからなぁ……。すまない律也。どうか強く生きてくれ」

「くっ、ティッシュさえ生み出さなければっっ!!!」


 由里香にやっぱりあれは花粉と鼻水だったの説明しようかなー……。


「そんなこと学校で話すな」

「「あいて!」」


 律也、海ともに、頭をチョップされる。

 後ろを見ると、由里香の親友でクラス委員長の鞠瀬真矢だった。



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