第41話 秘密の仮面
『今日の配信はここまで! みんな参加してくれてありがとう』
ポチッと配信を終了するボタンをうすいさちは押した。
「う〜ん、疲れた〜」
両手で伸びをしながらのけぞる。2時間ほど配信をしていたため肩が凝ったようだった。
うすいさちの日課は決まっている。
学生であるために午前中は学校へ、午後はバイトした後に配信をするか、イラストを描くかをしている。
Vtuberとイラストレーターの仕事だけでと十分暮らせるだけのお金は稼げている。
バイトはする必要はないのだが、違う目的のために今も続けている。
今日のうすいさちは心配事が1つ減ったことで機嫌がとても良かった。
「さてと、そろそろ夕食にしようかな」
席から立ち上がると、棚の上に置いてある1枚の写真の前に立った。
「ひとまずはおめでとうだね。でもまだまだこれからだよ」
うすいは5人組が写っている写真をツンとつついた。その写真は文化祭で相田が撮った純たちが写っているもの。
「私は、あなたが小説家になって会いに来てくれることをいつまでも待ってるよ。だから、諦めずに頑張ってね」
この場にいないのだから、この声は届くはずもないのだが、心の中でメッセージを送った。
「私は楽しみにしているよ、純くん」
もう一度写真を見ながら、うすいさちは、いや、
ーーーーーーーー榎原紗弥加は笑みを浮かべた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます