第9話 アイツの正体

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

逃げろ殺される!地獄の落し蓋だ! 殺される!

「この私から逃げられると思っているのか外道!」

「やめろぉ!!!」


はぁはぁはぁはぁ・・・夢?

俺は取り返しのつかないことをしてしまった。それは俺が未成年の時だった俺はただの喧嘩のつもりだった。しかし、相手の頭を鉄パイプのようなもので殴ってしまい結果殺してしまった。

殺したあとは警察に捕まり、司法の裁きをそこで受けた。基本的には司法の裁きを受けたのならば、地獄の落し蓋はやって来ない。

だが、遺族が許さないというのであれば、追ってくる可能性がある。

俺がアイツを知るキッカケがあった。


◆◆◆


それは未成年だった頃俺は何者かが偶然拐う現場を見た。それが地獄の落し蓋。

気になった俺は後をつけたんだ。そしたらとてつもなく凄惨な光景が目に入った。

するとアイツはこういった。

「小僧勉強になったか?!」

そう言われ、俺は冷たい視線で睨まれた。アイツは俺が付けていたことを知っていた。

俺は震えてしまいました、その場から逃げようとしたが、捕まってしまった。

「私は地獄の落し蓋と言われている男だ! 何かお前が悪い事すれば、いつでも捕まえに行くぞ」


そう言われ、俺は立ち去った。だがその数ヶ月後だった因縁をつけられてしまった俺は自分を守るため、そいつを鉄パイプで殴り殺してしまい、その後警察に捕まった。


◆◆◆


それからアイツの事が毎日のように夢に出てくる怖い怖い。刑務所から出るのが怖い一生ここにいたい。ここにいれば安全だ。とりあえずは殺されない。だけど絶対に安心ともまた言えない。


ある日、見慣れない刑務官がいた。黒人で随分とガタイの良い刑務官だった。

「13番出ろ」


俺の事だった。いったいなんだというのだ。なにかがおかしい。しかしそう思っても俺はこの黒人に圧倒されついて行った。

「神楽坂先生連れて参りました」

「ご苦労」

その顔は忘れもしない!そう地獄の落し蓋だった!

「うわぁーーー!」

「騒ぐな外道」

俺は不意に何かを飲まされ、意識を失った。そしてあの地下室へ連れてかれた。


◆◆◆


「起きろ!」

俺は熱湯をかけられ起こされた。

「地獄の落し蓋!!!」

「ほぅ覚えていたか。 ではこれから何をされるか想像つくな」

「ちょっとまってくれ! あんたは外道しか裁きを下さないはずだろ?だったらなぜこんな事をする?!」

「わたしが知らないとでも言いたいのかナメられたものだ。 私がこうやってやってきたのはあの日の鉄パイプのイザコザなどといった件では無いのだよ」


「え?」


「忘れたのなら思い出させてやる!貴様があの子にしたことを!ジェイク!」

「ハッ!」

すると持ってきたのはなんと親指潰し機だった。

「覚えているか貴様がその昔遊び心で自分より弱い者に対してやった拷問だよ。説明不要だとは思うが、これは大昔に実際に行われた拷問だよ」

「そんな事いつ知ったんだ!」

「お前が俺と初めて会ったあの時からな、ちょっと調べさせて貰った。随分と時間がかかったが今のは事実だろう」

嘘だろ?そんなことまで解るのかよ。何でそこまで解るんだよ!

「さぁやろうか親指潰し機」

そう言われ、俺は布を顔に被せられてしまった。

「やめろー!やめろー!」

「回せ」

「ウォォォァァァ!!!!」

指がメリメリっと音がしてバキィ!!という音が鳴り響く!

「どうだ!当時お前は笑いながらまだ自分より力の弱い人間に対して平気で行っていた行為だ!」

「すみません! すみません!」

「私に謝っても意味ないだろうが外道が!」

と、言われ金属バットを口にフルスイングして歯が全部折れてしまった。

「カハァ・・・教えてぇくれぇあんたの名前は?」

「良いだろう教えてやる。私の名は神楽坂文範かぐらざかふみのり、人は私の事を地獄の落し蓋と呼ぶ。さぁもういいだろう死んでもらう」

俺は拷問を受けたあと全身を焼かれ死んだ。神楽坂文範・・・俺はとんでもない男に目をつけられた。


−続く−







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