第5話 お酒
「飲んで飲んで!いっちゃって〜」
「うぅ・・・もう無理」
「おいおい、俺が誘った席で飲めませんはないだろもっと飲めよ!安心しろよここの会計は俺が持つんだからよ」
俺はそう言ってお酒をどんどんその女に飲ませる。
「俺ね、人がそうやって飲んでいるところを見るのがとても楽しいんだ」
「お願いしますもう飲めません」
「つまらねー女だな、じゃあこの酒飲んだら飲むのやめていいよ」
そしてとびきりアルコール度数の高いお酒を俺は注文しその女に提供した。
「えっ? これ?」
「そうだよこれで終わりだよ全部飲めよ」
すると、それを見た周りの人間が止めに入った。
「しゃ、社長もう本当に死んじゃいますよ」
「うるせーな! お前そんなに偉かったっけ?副社長?それとも会長? いつからそんなに偉くなったんだよ」
「社長お言葉ですがそういう事ではなくて・・・」
そう言われ腹を立てた俺はバリーン!!という音ともに瓶でそいつの頭を殴った!
「ぐぁぁぁぁぁ!!!」
周りの人は騒然とする。
「何やってんだよ早く飲めよ!」
そう、俺は女に怒鳴りつけてやった。女は凍り付いた表情で、一気にそれを飲み干す。
「お!いいね! なぁ店長通報するなよ。したら店こねーぞ。安心しろよ少しイロ付けてここの会計は支払ってやるからさそれで我慢しろ」
俺は店を出たあとさっきの女の様子がおかしくなる。口から泡をふいてるが放っておくことにした。
「社長、様子が・・・・」
「うるせーなほっとけばそのうち勝手に帰るだろ」
そう言って俺はその女を放置した。
翌日電話がなる。
「社長!あのあと急性アルコール中毒で死んだらしいです!」
そう社員のヤツが言うが俺には関係ない。
「あぁ、そう。でもそれ俺の責任じゃなくね?勝手に飲んで死んだんだから自己責任だって」
だってそうだろ?断ることだって出来たんだから俺は悪くない。
それから次の日、死んだ女の父親らしき奴が会社に現れた。俺は胸ぐらを捕まれた。
「貴様〜! 娘を! 娘を返せ!」
「おとうさん勘違いしないで下さいよ娘さんは自分の意思で飲まれたんですよ私は一切関与していません。もう一度調べ直してはいかがですか?」
「そんなわけないだろ! 貴様が娘を殺したんだ!」
「いい加減にしてください!おい、警備員! こいつを取り押さえてつまみ出せ!」
警備員が取り押さえ、振り払うも父親は会社から警備員によって立ち去った。
さてと、少々面倒になった。また俺が狙われるかもしれん。これは護衛が必要になるな。
ついでに弁護士にも依頼した。もしものためだ。こうして俺の身は守れる形となった。そしてやはりというか父親は俺を狙ってきたが、護衛によって俺は守られた。
全く、逆恨みも
◆◆◆
数ヶ月後突如として俺に変なことが起きる。まずは会社の一番大事な取引先と突然停止になった。なんとそれだけではなく、どんどん奇妙なことが事が起きた。
その後、社員が一斉に自主退社をしてくる。
「お前ら何考えてるんだ!」
「俺らはもう社長にはついていけませんお世話になりました」
そして護衛も俺を守るのをやめたいと願い出てきた。
「おい! どういうことだ!
説明しろ! そんな勝手が許されるのか!」
「すみません。本日限りで護衛のほうはお断りさせて頂きます」
弁護士にも確認したが答えは護衛と同じような形だった。
社員はいなくなり、護衛もいなくなった。そして弁護士も去っていった。家に帰ると俺の生活を囲う人達もみんないなくなり、そこには置き手紙がある。
『今までお世話になりました』
その一言だった。何なんだよ何が起きてるんだよ!どうして俺の周りには誰もいなくなるんだよ。
俺はこの家で一人になっていた。
そこへ1人の男がやってきた。
「おい、外道!」
俺が振り向くとそこにはたった1人の男が立っていた。何なんだよあいつ!
「お前は何者だ!どこから入ってきた!しかも土足で!」
男はずっと黙っている。気味の悪いヤロウだ。なんだかこのままでいると何か殺されるんじゃないかと思う気持ちが出てきた。
「察しが良いな」
読まれた!?俺の心が読まれたのか?俺は殺されるのか?
「こちらへ来てもらおうか案内する」
そう男は言い放つ。俺は内心焦る気持ちが抑えられず言われた通り付いていくことにする。ところがドアを出たあと、いきなり頭を冷たく固いものが突きつけられる。
「そいつは私の付き人のジェイク。気にせず私についてこい騒がないほうがいい。騒いだ瞬間、貴様は確実に死ぬ」
そして俺は言う通りにしてそのあと車に乗せられる。そう俺の後頭部に冷たく固いものが当たっていたのは拳銃だった。
車に乗せられ今度は銃口を俺の口の中に入れてきた。このジェイクという男は、この謎の男に比べ、随分とガタイはよく黒人でサングラスをしているため素顔が解らない。ヘビー級クラスの体格はあると思う。対してコイツは身長も高く見た目こそは優男風に見えるのだが、放つ殺気は尋常ではない。ジェイクという男の恐怖感とはまた違うのだ。
それから俺は到着し、地下室のような場所に連れて行かれた。
ここでジェイクが俺に一発顔面めがけて殴ってきたその破壊力は凄まじく、一発殴れただけでヨロけてしまい、一瞬で俺の手足を縛りあげた。
「ご苦労ジェイク下がっていなさい」
そうすると無言で立ち去るジェイク。
「おい!何してるんだよ痛てぇな!こんなの犯罪だろ!」
「笑わせるなよ! 泥水した社員を見殺にした貴様は保護責任者遺棄致死罪の犯罪者だろ? それよりこの女性に見覚えあるな?」
俺はその写真を見た。それはなんとあの女じゃねぇか!
「お前まさか父親に頼まれたのか?」
「さてな? それより外道!お酒を無理矢理飲ませた挙げ句、死に追いやった彼女に悪いとは思わないのか?」
クソこいつ何言ってやがるんだ!!
「はぁ? 何で俺のせいになるんだよ! お酒を飲んで勝手に死んだアイツの自己責任だろうが!」
「何だと?」
「だから俺は何も悪くないだろうが!」
俺はそうこの男に言ってやった!
「だったらお前に教えてやるよ無理を強いられる苦痛をな!」
そう言われ、俺は口を大きく開け
何やら濁った液体を持ってきてはそれを口の中に入れる。
「アバババ!」
ゴクリとそれを飲むと、突然俺は逆流して勢いよく吐く。
「ごはっ!ハァハァハァ!」
「どうだ彼女と同じ目にあった気分は?」
「悪かった! 俺が悪かった!」
「そうそう言い忘れていた。この液体には特殊な成分が入っていてなそのうちお前の嘔吐物も赤くなる」
それを聞き、俺は無理矢理飲まされは吐く。これを何度か繰り返されてしまい、嘔吐物が赤く染まるようになってきた。
「ほう、やっと赤くなったか。大丈夫この分の材料費は気にするな私が持つ。今回私が誘ったんだから遠慮をするな」
そう言われ、俺はまたまた勢いよく血を吹き出す!
「外道さんそろそろ終わるね。そういえばこれ知ってる?」
男が俺に見せるとそれは俺があの女に飲ませた1番アルコール度数の高いお酒だった。
「私はね、人が飲んでいるところを見ると楽しいんだよ。だからこれ飲んでくれよ」
ゴクリ・・・ゴクリ・・・
俺はそれを飲んだ瞬間意識が遠退きはじめた。
「おいおい、誰の許可を得て寝てるの?」
バリーン!!!
男はビール瓶を割った。その割れたビール瓶で俺の心臓を一突きし、俺は絶命してししまった。
あの男は何者だ・・・。
どうして俺の悪事をすべてを知っている。
−続く−
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