第六感

卯月白華

呟き

「勘」が良いか悪いかと問われたら、良い方ではあるかもと答えられる。

 そう言えるくらいには自分の「勘」に助けられていた。


「第六感」に「勘」や「直感」に「虫の知らせ」が含まれるのだと改めて調べて知ったけれど、私のは考えてみれば「勘」というより「虫の知らせ」というの方がしっくりくる。

「直感」と言える程の明確な強さだとか、「勘」といえる程の啓示的な確かさだとはとても思えないからだ。

 あくまでも私のは何かの「知らせ」。

 そう思える。


 嫌な予感、嫌な感じを無視して続けたり進めば、確実にろくな事にはならない。

 本当に面白いくらいにだ。

 それはダメだと誰かが私に密かに知らせてくれている。

 まるで内緒話さながらに囁いているのだ。

 こう考えると納得するし落ち着く。


 教えてくれているのが誰か、というのは気にしたら負けだと思って考えず、ただただ感謝を。

 何も知らない方が幸せな事はある。


 だが無知は罪だとも思う。

 知らないからと言って罪は無かった事にはならない。

 被害者からすれば加害者であるのは変わらないだろう。


 思考はそれるしおまけにぐるぐる答えは出ない。


 ふと、気がついたのは烏。

 烏の存在が何故か気になる時。

 あの鳴き声がやけに耳に残る時。

 羽ばたきが不思議と背筋に障る時。


 私の周りには必ず不幸があると気がついた。


 考えれば考える程にそうで、流石に片手の指で足りないくらいに同じ事が起きれば不安を煽る。


 正に今、烏が、烏の鳴き声が、烏の羽音が気に障って仕方がないのだ。

 それが「虫の知らせ」ではないことを信じたい。


 誰かが烏の姿を借りて『これから不幸がありますよ』と教えてくれているのだとしたら、私は――――


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第六感 卯月白華 @syoubu

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