オーガとの戦闘
僕達は奈落の森の中を歩いている
これまで発見した集落は2つ
1つはゴブリン。こちらはまだ異常発生とはいえない規模だったが、探査魔法を使うと2000匹はいたらしい
2つ目はオークの集落
こちらはまだ通常どうりで、40匹程しかいなかった
「ここから西方500m先に複数の魔物の反応があるわ」
魔法使いのお姉さんが探査魔法に引っかかった魔力の反応を報告してくる
「あぁ、分かった。どの程度の規模だ?」
「ちょっと待ってね……………大体500匹かしら…」
500……種類にもよるが、異常発生ではないだろう
「よし、種類を確認したら今日は引き上げよう」
「はい!」
そろそろお姉さんが探知した集落が見えてくる
さて、どんな種族だろう………あれは……オーガ……かな?
「お、おい……嘘だろ?……オーガがこんなに?!」
「不味いな……オーガが大体400に上位種のアークオーガが100匹か……」
「いえ、明らかに魔力の多いやつが3匹いるわ。多分鬼人よ」
――――――鬼人
魔物の種類に疎い僕でも知っている
鬼人は大昔に発生した人魔対戦の際、多くの人間を殺した戦闘種族だ。しかし、鬼人やその他の戦闘種族は女神様が遣わした神獣達によって絶滅寸前まで追い込まれたのだ。まさか、こんなところで生き延びているとは…
「鬼人か……存在は確認できていないが、撤退してこの情報を持ち帰ろう」
アレックスさんは冷や汗をかきながらも冷静に指示を出している。さすが新進気鋭のAランクパーティ。メンバー全員がすぐに冷静さを取り戻している。僕も見習わなければ…
僕達は全員が顔を見合わせ、頷き合う
アレックスさんが歩き出したその時。森に咆哮が響く
「っっ……不味いわ、アレックス。400のオーガとアークオーガが50匹ほどこっちに向かってきてる!」
「あぁ、恐らく最初の咆哮は鬼人だろう。探査魔法を使ったのがバレたのか?伝説の魔物ならあり得るだろうな……こうなると、首都に帰るのはなしだな。俺たちが逃げ帰ると首都にオーガがぶつかってしまう…」
アレックスさんは覚悟を決めた顔でこう言った
「俺が残る。3人はアベル君を連れて首都に戻るんだ」
「そんな!嫌よ!私も残るわ!」
「あぁ、そうだ。俺も残る。なぁ?」
「えぇ、もちろん。私達も残る」
盗賊のような格好をしたメンバーも反対する
「おいおい、アベル君は誰が連れて帰るんだ?」
「あ、あの!…その、残ります!僕だって戦えますから!」
アレックスさんは諦めたような顔をして言う
「お前らはどうせついてくるだろうし、そうなるとアベル君が1人になるし……はぁ、仕方ない。アベル君は俺達がすぐフォロー出来る場所で戦ってくれ。決して無理はするんじゃないぞ」
「分かりました。それと、お願いがあります。僕は自分の職業を使っている間の記憶を失っています。なので、どういう行動をしていたかを後で教えて頂けたいのですが…」
「ははっ、何だそんなことか。どっちにしろ君のことは見ている。安心して戦ってくれよ」
「はい!ありがとうございます!」
「さて、そろそろ来るから気を引き締めていけよ!」
「「「「はい!」」」」
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