救出

「んっ………はっ、ゴブリン……」


………異常者を使ってからの記憶がない

辺りを見渡すと大量のゴブリンが散乱しており、今座っているのはゴブリンキングの腹の上だった


「………よく分からないけどまずは女の子を助けないと」


僕は入ってきた道とは違う扉を見つける

こっちに行ってみよう


しばらく歩くと鉄格子で区切られた部屋のような物があり、その中には顔のやつれた女性が10人ほどいた


「大丈夫ですか?!今助けます!」

そう言って僕は腰に手を回す


………あれ、短剣が………ない


どうしよう……サリーに貰った大事なものなのに………けど、今はそんなこと考えている場合じゃない。どうしよう……


この鉄格子古そうだし……引っ張ったら隙間とかできないかな…。あれだけゴブリンを倒したんだ。能力値が上がっていることを期待しよう


僕は鉄格子を握る

「……ふんっ」

鉄格子は呆気なくひん曲がった

「やってみようと思えばできるもんなんだ…さぁ、みなさん。外へ出ましょう」


「………助かった……の?」

「はい、もう大丈夫ですよ」


その後、女性たちを外に連れ出した僕は、まだ体調の優れない人を協会に連れていき、治療してもらった


「さて、そろそろ達成報告しないと…」


僕は報告のためにギルドへ向かう


――――――――――――――――――――


「すみません。依頼の達成報告をしたいのですが」


「はい、分かりました。お受けになられた依頼は?」


「奈落の森のゴブリン討伐です」


僕は討伐証明部位の耳を受付カウンターに起きながら、洞窟のことを報告する


「…………私には大きすぎる事案なので、1度ギルドマスターに相談しますが、あなたも調査に呼び出されると思うので、準備しておいて下さい」

そう言って受付嬢は2階へと上がっていった


ん〜、準備か……

とりあえず、短剣を買いに行こうかな


――――――――――――――――――――


sideリーベルト〜3日前の夜〜


僕はパーティハウスの自室でとっておきのワインを優雅に飲んでいた


「くっくっくっ………あのゴミを追放しただけでこんなにも心が晴れるとは………………それに、これでパーティの女共は俺に夢中だ」


それにしてもどういう理由をつけようか……

うん。戦えない自分が情けなくなった。とでも言っておこう。多少ごねて追いかけるなんて言いかねないやつもいるが…勇者パーティを追放すると脅せば問題ないだろう

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