HSPでよかった

HSPテニスバカ

HSPは繊細さん

(1)

「やべ!!!もうこんな時間!」


昨日の夜に新刊の漫画が面白くて夜更かしをしてしまった。最悪の朝だ。お腹が空いているが時間がないから食べれない。母は何回も起こしましたよという雰囲気を醸し出している。これは帰ってから言い合いになると悟った。猛ダッシュで制服に着替え玄関を飛び出した。


(2)

 全速力で自転車をこいで、なんとか朝のHRには間に合った。


「はあ、、はあ、、あっぶね。セーフ。」

なんとか間に合ったがクラスのみんなから笑われた。周りを見ると何かコソコソ話している。


「なんて言われてんのかな?、、、、」


この些細な事が自分を変えるとは思ってもいなかった。


(3)

 1時間目はいきなり移動教室。いつもの友達と話しながら理科室に向かうと鍵をかかっていて開かなかった。


「なんだよ。開かないじゃん。」


こうなるとみんな廊下で先生が来るまでくっちゃべる。友達となんで朝遅れそうになったか話していた。その時何か視線を感じた。女子2人がこっちをみて話しているのだ。


「何?なんかした?俺」

2人の視線が気になってしょうがない。でも話した事がないので聞きづらい。

「朝遅れそうになって事話しているのかな?でも2人は違うクラスの子だし。」

考えに考えたが、結局なんも思い当たらなかった。


理科の授業が終わると、次は体育だ。みんな急いで階段を降りる。そしてすぐ体操着に着替えグランドに出る。

授業の始まる1分前ぐらいの先生を来る。体育の先生をうちの野球部の顧問だ。

「はい。号令。」と低い声で顧問が言う。ここで自分は違和感を感じた。


「あれ?なんか機嫌悪いな。昨日の練習試合俺のせいで負けてからかな?、、、」

こう思うと視線が自分の方に来ているようで余計考えてしまった。


(4)

  一日の授業、部活が終わりクタクタになって家に帰った。今日は体が疲れたと言うより頭が疲れた感じだった。


「なんか人の視線とか表情とかめっちゃ気にしちゃうんだよなー。なんでだろ。」

と思いながらベットに横たわってスマホでインスタを見ていた。するとインスタの詮索欄の所に「HSP」とあった。今まできいたことのない言葉だった。


気になってタップしてみると目が丸くなった。HSPの人の心理や行動が書かれていた。それに自分が全て当てはまっていたのだ。


「やば!!俺ってHSPなの!?」


ここで今日の出来事が一致した。人の目を異様の気にしてしまうのも自分がHSPだったから。今までは人の目を気にするのはみんな同じだと思っていた。しかしこれはHSPという生まれ持った特性なんだとわかると考えすぎていた原因がわかり少し気持ちが楽になった。


(5)

 次の日から自分の生活が一変した。今まで気にしていた視線があまり気にならなくなったのだ。

「あっ!また気にしてる。でもこれはHSPだからしょうがない。」

と考えられるようになったからだ。




HSPは生まれ持ったもの。無理せずに周りを気にする自分を認めることが大事。



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