第37話 疑いと対策 ②

 写真を受け取った人間王は、すぐさま写真を削除した。わざわざ腹立つ男の写真を保存しておく理由はないからである。


「にしても、赤子を抱いてなんも思わぬとは、サイコパスじゃないのか、あのクソガキ」


 人間王は誰に聞かせるでもなく、ただそう呟いた。いや、自身に言い聞かせたと言ったが正しいだろう。


「そう。あやつは人ではない」


 もう一度人間王はそうつぶやいた。なぜなら、そうでなければ困るからだ。もはや、それは願望ですらあった。


「いっそ、物と思って扱うのがいいのではないか……」


 そう人間王が呟いたときだった。人間王が携帯しているタブレットが音を奏でて振動した。




            ◇




 国王ブログがバグったのだろうか、と嬉々として人間王がタブレットを開けば、竜人王からの着信だった。それにガックリと肩を落として人間王は通話ボタンを押した。一種族の王となれば、人間王も簡単には無視できないのだ。

 人間王がしぶしぶ通話をつなげば、竜人王の呑気な声が機械の向こうから放たれた。


「あれから一向に私への注目が収まらなくてですね。その引き金を作ったあなたに相談したいのです」


 本人の嘆くとおり、竜人王の話はインターネットの至るところで話題になっていた。ハッカーの存在と竜人王の無実も発信されたものの、フェイクニュースが飛び交い、根も葉もない噂が絶えなかったのだ。


「全くテクノロジーが出てくる前はこんなに私の話題が出ることはなかったのに。大衆が簡単に情報発信できるようになってからですよ」

「テクノロジーが普及してからもおまえの話題は少なかったぞ。おまえの話題がトレンド入りしたのは事件が起こってからだ」

「……わざわざそれを伝えなくてもいいとは思いませんか?」


 お互いに全く遠慮することなく、人間王と竜人王は会話を進めていった。王同士の中でもあまり親しくはない間柄の二人だったが、竜人王はどうしても人間王に依頼しなければならないことがあった。


「しかし、事件のせいでドラゴンと竜人のイメージが悪くなってしまいました。それを挽回するために、ドラゴンの壮観な姿を収めたPR動画を作れと言われしてね」

「言われたぁ? まさかまた貴様の娘の仕業か? あのAIドラゴンもそやつの仕業じゃろ」

「まあ。私があんなもの作れるわけないじゃないですか。とにかく、娘はハッキングされるセキュリティの低いAIを作ってしまったことに落ち込んでいましてね。なんとかPRを成功させたいんですよ」

「おい、せめて対談ではドラゴンのためとか竜人のためとか言っておけよ。じゃないと、余まで貴様の巻き添えを喰らう。というか、私情丸出しでお願いされて余もびっくりだわ」


 人間王があきれたように電話越しでため息を吐いた。

 竜人王のお願いとは、国の女神と言われるアイリスがドラゴンの背中に乗って空を駆ける動画を作成することだった。

 だが、アイリスが襲撃される危険を考えた人間王が簡単に頭を縦に降るわけもない。


「女神の存在は周知されてるが、アイリスの容姿までは特定されておらんだろう? だが、もしPVに出演したらバレてしまうではないか」

「彼女とわからないようモザイク入れますから!」

「おまえ、女神にモザイク入れるとか言うなよ。天罰下っても知らんぞ」


 そう言って、人間王は大きく溜め息を吐いた。正直、人間王としてはアイリスの存在は濁したかった。だが、竜人王も引くつもりはないようだ。


「しかし、これを言うのは躊躇われるのですが、あなたが種族の王のリーダでいられるのも彼女のおかげでしょう? 一部、女神の存在は、人間王がトップに立つためのシナリオだとか書き込まれているようですが、よろしいのですか?」

「躊躇ってないではないか。……はぁ、最近、そんな書き込みあったよな」

「ええ。私も裏垢でその書き込みを拡散しましたので、よく存じ上げております。あ、これは内密に」

「一番内緒にするべき余に筒抜けだわアホ」


 すかさず人間王が竜人王を睨み付ける。だが、竜人王の言い分も最もなところがあった。アイリスの存在を隠す分、女神の存在が不透明になるのはある意味避けようがないのだ。しぶしぶ、人間王が頷く。


「まぁ、一理ある。アイリスは光とかでうまく顔を隠せ。神々しい感じに頼むぞ。問題は、アイリスの護衛よ」

「キドラはどうです?」

「あんまりキドラの情報はインターネットには流したくない」

「私情で? 彼をスターにはさせたくないと?」

「一応別の理由があるわ! あやつがネットに出回ったら敵側に情報提供をすることになるだろうが」

「なるほど。ふむ。確かに。しかしこちらもドラゴンの意思を尊重しないといけません。ドラゴンは7匹。そのうち1匹はまだ小さい。協力してくれると言ったのは面識のあるドラゴン1匹。しかも、アイリス以外は知り合いのキドラかシークしか断るというのです。しかし、シークは炎属性でしょう? ドラゴンと被るのでアイリス護衛には向いていません」


 竜人王の反対に、人間王が溜め息を吐く。だが、すぐに名案を思いついたかのように顔を上げた。

 

「どうだ。目にモザイク入れたらキドラとはわからんだろ」

「PR動画ですよ? 目に黒線入った人がドラゴンの背中に乗っているのを流すなんて嫌に決まってるでしょう。おかしいでしょ。『ドラゴンどこに飛んで行くんだ? 刑務館か?』てなるでしょう。その横で女神が微笑んでいるんですか? ホラー動画と勘違いされてしまいます。却下です」

「余もそんな動画に作成協力者として名前記載されるのやだわ」

「でしょう?」「ああ」


 完全に二人は頭を悩ませていた。なかなかまとまらない話し合いに、二人とも疲弊していたのだ。


「だが、加工はいいと思うのだ。キドラは護衛すらしてくれたらPVにはいらんだろ。いっそのこと、キドラを編集で見えなくするか?」

「そうしましょうか」


 二人の王が画面越しに頷いた。




             ◇

 



 人間王の住む宮殿とは違い、竜人の国は広い草原地帯に広がっている。そこには数件の家がぽつぽつと間を空けて並んでおり、そんな民家を囲むようにして円形に崖が高くそびえたっているのだ。そして、その岩と岩の穴に6匹のドラゴンが横になっている。まさにドラゴンと竜人は共生しているのだ。

 そんな中、ひときわ目立つ大きな家がある。そここそ、竜人王の住み処であり、キドラとアイリスの目的地でもあった。

 そして、これもアイリスのおかげか、キドラとアイリスは迷うこともなく、目的の場所へと着くことができた。

 竜人王の家は、確かに他と比べたらでかい。しかし、人間王の住み処と比べたら質素なところだった。

 竜人王の家のすぐ隣の芝生に、小さなドラゴンが寝そべっている。子ドラゴンは、キドラを見るや否やピぃと鳴いた。キドラとシークに遊んで貰ったドラゴンだ。その子ドラゴンは可愛く鳴きながら、キドラたちに向かって飛んでいった。


「久しぶりだな」


 キドラが話しかければそれは嬉しそうに鼻をキドラに擦り付けた。それはアイリスをチラッとみると、すぐにキドラの胸に顔を埋める。


「ど、どうしましょう。私が怖いのでしょうか?」

「いや……これは推測だが、こいつは人見知りなんだろう。遊んだら懐くだろ」

「おや。正解。遊んでくれるの?て言ってますね。しかし、今日の本題はこちらです」


 竜人王がキドラの後ろから声をかける。生態反応を感知していたキドラとは違い、アイリスは驚いたように後ろを振り向いた。

 そこには、竜人王と一匹のドラゴンがいた。赤茶の所々がオレンジ色のドラゴンだ。


「わあ。はじめて見ました。お名前は何ですか?」

「名前ですか……。ふむ。我々はレッドドラゴンと呼んでいますが」

「レッドドラゴンさん、よろしくお願いしますね」


 そう言って、アイリスが微笑む。そんなアイリスを黄金の瞳でドラゴンはじっと見つめていた。


「ドラゴンは高貴な種族です。頭を下げて、下げ返されてから背中に乗ってください」


 竜人王が言うと、すぐさまアイリスがドラゴンに頭を下げる。こっちへくる前に散々郷に入れば郷に従え精神をアイリスに口説かれたキドラは、アイリスに続いて頭を下げた。

 数秒後、頭を下げたというよりドラゴンが下を向いたとき、竜人王からGOサインが出された。

 キドラとアイリスがドラゴンの背中に乗る。ドラゴンは空気を揺らして空高く、舞い上がったーー。


「うわぁ!! す、すごい!」


 ドラゴンの背中でアイリスが感嘆の声を上げる。キドラも連られて下を見れば、アルカシラの町並みが一望できた。すかさず脳内で記憶を撮り、ロキたちへ送信する。


「キドラさんの世界でもできない体験ですか?」

「まあ。仮想体験よりリアルだな。やはり、視覚情報は大きいんだな……。ああ、この世界にきてはじめて感動した」

「はじめて!? 他にもすごいことはありますからね!」

「どうだろうな。テクノロジーはたいていのことはできるからな」

「では、私がキドラさんの世界にはないものをたくさん見つけてあげますね!」

「調子に乗るな」


 アイリスと軽口を叩きながら、キドラが空の旅を満喫していく。

 

「レッドドラゴンさん、気持ちいいですね!」

『……ヴァ』

「気持ちいいらしいですよ、キドラさん!」

「今の適当だろ」

「違いますー!」


 いつも以上にはしゃぐアイリスに、キドラが冷静に返す。

 キドラとしては、視覚情報の刺激はあったが、肌を冷たく包む風の手触りを感じることはなかった。脳に命令すれば擬似的に感じることはできるのだろうが、おそらくそれはアイリスの感じているものとは違うのだろう。

 キドラは少しだけ、生身の体を羨ましく思った。


「まあ、おまえが楽しいならいいのか……」

「え? なんていいました?」


 キドラの呟きを風がかき消す。聞き返すアイリスに、「なんでもない」とキドラが返したときだった。

 ドラゴンの横に、真っ黒い何かが並んだ。


「おまえはーー」


 キドラが視覚情報とインターネットの画像を検索にかけると、すぐにその正体をテクノロジーが明かした。


「吸血鬼ーー?」

「正解デース! はじめまして。ワタシは、アイリスさんを拐いに来マシター!」


 吸血鬼がそう言ってくるりと身を翻す。真っ黒いマントが開かれ、金髪の男がにこりと歯を出して笑っていた。肩から生えた羽が動いている。どうやらこの羽で飛んでいるようだ。


 ーードラゴンは高貴な種族ですーー


 竜人王の言葉がキドラの頭をよぎったとき、空のテリトリーに入ってこられたことに威嚇したドラゴンが火を放った。

 キドラはこのドラゴンは我を失うと暴走することを身を持って知っている。


「アイリス!」

「は、はい!」

「一刻も早く空の治安に悪い汚物を清浄せねばならん」

「はいっ?」

「生体認識をしたところ、そこの黒い物体以外には特に何もなさそうだから大丈夫だとは思うが、念のためにこれをやる」


 キドラがそう言って、アイリスに体から引き離した右手を渡した。


「え」


 あたかもプレゼントを渡すかのように手首を渡されたアイリスはそれはもうびっくりだ。


「手、ですよね、これ」

「ああ、手だ。それは脳と無線で繋がっている。何かあれば俺を呼べ。そうしたら俺の脳が反応して遠隔でもおまえを守る。……右手だけじゃ不安か? なら、左も「い、いらないです!」


 アイリスがブンブンと首を横に降る。「いろいろと受け止めきれないので」と言うアイリスを残して、キドラは吸血鬼めがけて飛びうつった。


「今あなた汚物といいマーシタネ! それは僕ちんデスカ? それは最低ネ!! 大切なことなのでもう2回だけリピートしますネ~。人を汚物とかあなた最低デー………ええええアンビリーバボー!」


 キドラがアイリスに指示するのを聞いておらず、汚物だけに反応していた吸血鬼が、己にめがけて飛んできたキドラを見て悲鳴をあげた。


「わ、わたし、ドラゴンじゃありまセーン! 人を乗せて飛べまセーン! 重量オーバーネ!」

「誰がおまえに乗せて貰うといった。俺はこう言ったんだ。汚物を排除するとな!」


 次の瞬間、吸血鬼めがけて飛んでいったキドラが吸血鬼を蹴り飛ばした。


「ノンンンンンンン!!」


 悲鳴を上げて吸血鬼が落下していく。

 そしてそのままキドラがアイリスの乗るドラゴンへと身を翻したときだった。


「……!?」


 キドラの体が真っ逆さまに落ちてゆくーー。


「燃料切れか!?」


 キドラがどんどん下に落ちて行く。機体へのダメージを減らすためにキドラが体を硬く変化させたとき、竜人王がキドラに向かって飛んできた。


「全く世話の焼けますね。私が来たからには安全ですよ」


 竜人王がキドラを受け止めた。次の瞬間だった。


「おんもっっっっ! かったっっっ! なんなんですか、このくそ重い物体は!」

「さっき、吸血鬼を落とすために体の質量を上げた。あと、硬化させた」


 キドラの金属の重量に耐えられなかった竜人王もまたキドラと共に落下しだしたーー。


「ああああああ!」

「おまえは飛行できるから俺を離せばいいだけだろうがっ!」

「ああ! 確かに考えたらそうですね」

「本当に離すのか!?」


 半信半疑のキドラに竜人王がにっこりと笑ってみせる。そして、次の瞬間、竜人王がキドラを受け止めていた手を離したーー。


「お前本当に半分人か!!?」


 キドラが落下していくーー



「キドラさん!!!!」



 速度を増して落ちてゆくキドラに、ドラゴンの背中に乗ったアイリスが向かっていく。

 地上から3mーー。ギリギリのところでキドラはドラゴンに乗りこなしたアイリスによって、ドラゴンの背中へと引き上げられた。

 無事、地面にクラッシュする者は一人もいなかった。吸血鬼を除いてーー。


            

           ◇



 地上に戻るころには、ドラゴンはアイリスに懐いていた。親のそんな姿をみて、子ドラゴンも警戒が解けたのだろう。さっそくアイリスに顔を寄せていた。


「私よりドラゴン使いじゃないですか」

「ドラゴンは誇り高い種族なんだろ? そりゃ、人

を平気で見捨てるやつより助けるやつに懐くだろ」

「あれ? 根に持ってます?」


 竜人王が、キドラの顔をまじまじと見つめたときだった。


「マージであり得まセーン! このワタシのビューティなフェイスが傷だらけデース!」


 どこからともなく、奇怪な声が放たれた。先ほど落とされた吸血鬼が復活したようだった。


「ワタシは怒りマシタ! そこで、このリトルを人質にシマース!」


 そう言って、吸血鬼がキドラたちの前に姿を表した。その右腕には白髪の少女をホールドしている。

 その少女を認識したとたん、竜人王の目が大きく見開かれた。


「その子から手を離しなさい!」

「ユーのドーターネ? 返してほしければ、その金髪ガールをヨコシテクダサーイ」


 吸血鬼がニヤニヤと笑いながら、アイリスを指差す。それに竜人王とキドラは、慌ててアイリスの前に立ちはだかる。


「ドーターか、プリンセスか選んでクダサーイ」

「アイリスは渡せない」

「娘も渡しません」

「選んでクダサーイ。ワタシ、知ってマース。そこの銀髪は体力切れデスネ? で、竜人の王は名ばかりの平ボーン!」

「パパを悪く言うな! このアホ面!」


 とたんに、拘束されていた少女がその腕に噛みつく。だが、吸血鬼にはたいしてダメージはないようで、ただ冷たい瞳が少女を捕らえた。


「あ? 美男にアホ面? ザケンナヨ」


 吸血鬼が少女を捕らえた腕に力を入れ、少女が苦しげに眉を寄せたときだった。


「どいてください!」

「「!!?」」


 アイリスが目の前のキドラと竜人王を押し退ける。そして、何か鉄の塊のようなものを吸血鬼に投げつけた。

 それは鈍い音を立てて吸血鬼の額にヒットする。日頃、訓練に参加している成果が活かされた瞬間だった。


「いまです! レッドドラゴンさん!」


 緩んだ腕を抜け出して、少女が父親の方へ駆けていく。その瞬間、アイリスがレッドドラゴンに向かって叫んだ。

 すくざま、レッドドラゴンの口が吸血鬼に向かって開かれる。その口から赤い炎が放れ、真っ直ぐに吸血鬼の方へ向かっていった。


「厄日デスカー!」


 吸血鬼の悲鳴が辺りに響き渡る。

 数秒後、吸血鬼の姿はそこにはなかったーー。


「アイリス! でかした!」

「護衛対象に守られるとは……。いいですか、キドラ。人間王にはこの事は言ってはなりません。アイリスさんも」


 アイリスを称えるキドラとは逆に、竜人王はものすごい真顔でキドラとアイリスに念を押す。それに半ば二人が引き気味に頷いたときだった。


「パパ! 恥ずかしいわよ」


 竜人王の娘がそう言って、竜人王の頭を叩いた。そしてすかさずキドラとアイリスに頭を下げる。


「ごめんなさい。うちのパパが」

「なっ……」

「パパ、助けてもらったらなんていうの?」

「……キドラ、アイリスさん、ありがとうございました」

「はい、よくできました」


 そのまま娘に頭を撫でられる竜人王を見て、キドラはいつの日かの竜人王の言葉を思い出していた。

 彼は、自身の名は娘から取ったと言った。

 普通逆ではないかと思ったキドラだったが、いまこのときだけは、すんなりとその意味を理解できた。

 半ば冷めた目を竜人王に向けるキドラだったが、ふと思い出したようにアイリスに向き直った。


「そういえば、さっき、何を投げた? 意外な展開に見逃してな」


 そのとたん、アイリスの顔が真っ青に染まっていく。

 次の瞬間、アイリスかキドラに土下座を披露した。


「すみませんでした!」

「お、おい?」


 慌ててキドラがアイリスを立ち上がらせようとしたときだった。そのとき、ようやくキドラはあることに気づいた。

 右手はまだ貸し出したままだったことをーー。





            ◇




     

 結局、動画は使える部分だけ切り抜かれてPR動画が完成した。そこには1人の少女がドラゴンに乗って空を駆ける姿が治められていた。

 アイリス護衛メンバー内でもその動画は話題になっていた。


「いや~アイリスかっこよかったよぉ」

「アイリスにドラゴン合うわね!」 

「どーゆー感想っスか! でも動画良かったっスよ」   

「ギリギリで顔が見えない感じがより神秘的だよね~」

「ほんとに推したい!」

「ミナがファンとかアイリスかわいそうっス」

「どーゆーいみよ!」


 アイリスの動画でメンバーが盛り上がっていたときだった。アイリスを誉めちぎるメンバーを、サラが呼んだ。サラがミナ、レオ、シークをキドラでさえ聞こえないであろう距離に連れていく。


「おい! あまりアイリスばかりを誉めるな」

「え? でも、アイリスの動画っスよね?」

「国王さまがやらかした。実は、映ってないが、キドラもいたんだっ!」


 急にこそこそし出したサラたちをアイリスとキドラは不思議そうに眺めていた。

 キドラは動画に自分は映っていないのをまだ知らない。

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