第16話 【Night talk】

僕と母や部屋へ到着した。大きな一枚ガラスの窓越しに園内の滝を観ながら、母と横並びのソファーに腰かけた。滝はナイトライティングされており、大人の雰囲気を醸し出す演出がされている。落ち付くといった感じだ。本来であれば、ラウンジであれば舞台があるので、そこでバンドの生演奏を聴きながら、ゆっくりとした時間が過ごせるのだろうが、今は世間の風潮でそのような雰囲気ではない。これもまた時代の流れんなんだろうけど。


同じ場所でもその時代時代によって、環境も変わってくるんだなって思った。父の退職祝いでの宿泊の際には、今のような時代になるとは、到底考えもつかなかった。あれから数十年経っているが、場所は何も変わらない。ただ、そこに存在した人たちの周りの環境だけが変わってくる。なんだか、そんなことを感じていると切なさがこみ上げてくる。この瞬間も二度と戻ることができないと思うとなんだか「じー-ん」としてします。


母と昔ばなしに華が咲き、お互いに昔のことを思い出す。


明日にはこの宿を後にする。また、次に宿泊できることを思いながら。。。。。。。。。

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「今宵50年、母と旅をして」 有野利風 @Arino_Toshikaze

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