第14話 【Parent-child interaction】
母と特選懐石料理へ舌鼓を打ちながら、昔話をしながら食事が進んでいく。窓越しに見えるプールサイドのライティングを眺めていると、ここに父も同席しているような気がしてきた。親子でこのように温泉旅館でゆっくりと食事をとりながら、おしゃべりをしながら楽しい時間を過ごしている。
一年前には、このように楽しい時間が持てるとは思ってもいなかった。まだまだ父が亡くなった悲しみは家族全員癒されることはないけれども、こうやって少しづつ時間と共に癒されていくのだろう。看病中の母のげっそりとした表情から、今は親子の会話を楽しんでいる姿を見ていると、僕の気持ちまでなんだか癒されてくる。
この瞬間も一生の中で一度しかないと思うと、なんだか切ない気がする。この瞬間瞬間が尊いものだと実感した。
食事も後半となりデザートが運んでこられた。ゴマプリンと季節のフルーツの盛り合わせ。食事の締めくくりにはデザートは必要だ。
母とデザートを頂きながら、改めてこの瞬間を楽しんだ。
食事も一通り終わり、レストランを後にした。レストランのまで母と記念撮影を仲居さんへ依頼した。この瞬間もこの時しかないんだなって思うと、なんだか切なく感じる。時間が戻らないことへのもどかしさなのかもしれない。
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